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2012年9月19日水曜日

尿中 タンパク/Cre比 (PCR)

尿中タンパク量を調べるのは24時間蓄尿が基本だが, フォローの歳や蓄尿が困難な場合はスポット尿中タンパク量/尿中Cre 比で予測可能ということは有名な話。
尿中タンパク量/尿中Cre 比を PCRと呼ぶ.

これは1日にCreが1g排泄されることを前提に尿中タンパクを推定する方法で, 随時尿PCRと24時間蓄尿によるタンパク尿の一致率は90-93%と非常に高い.
ネフローゼ症候群で大量のタンパク尿を認める場合も一致率89-94%と有用とされている
(Curr Opin Nephrol Hypertens 2008;17:600-603)

1日のCre排泄量が1gということは, 慢性腎不全患者では使用できない可能性があるが,
98名の非DM性慢性腎障害患者でPCR, 24時間蓄尿によるタンパク評価を比較したところ,
Cre 2程度, GFR 35-50程度ならば一致率は良好であった (BMJ 1998;316:504-9)

全体
PCR lowest
PCR Middle
PCR Highest
PCR
2.5[0.2-11.0]
1.0[0.2-0.7]
2.2[1.7-2.7]
4.2[2.7-11.0]
24hr蛋白尿
2.8(1.9)
1.3(0.7)
2.9(1.6)
4.3(1.9)
Cre(mg/dL)
2.1(0.9)
1.9(0.9)
2.0(0.9)
2.4(1.0)
GFR
48.6(20.8)
54.9(19.4)
53.5(21.6)
35.8(15.8)


安定したCKD患者145名において24時間タンパクと朝9時に評価したSpot尿のPCR変動(連日評価)を比較(Am J Kidney Dis 2012;60:561-566)
母集団のeGFRは, 
≥60     32%, 
30-60  44%, 
15-30  22%,
<15     2%

PCRの変動; 日別のPCR一致率の評価;
 PCR自体の変動は少なく, ほぼ一致する. PCRが高値ではそれなりに変動も大きい傾向.

24時間蓄尿のタンパク量とPCR値
24時間タンパク尿 と 初期のPCR値, 複数回測定したPCR値の範囲の表.
大まかには一致しているものの, やはりバラツキは大きい.
%のバラツキはタンパク尿が少ない程大きくなるが, 絶対値のバラツキは少ない.
タンパク尿が多い程絶対値のバラツキは大きい.

PCRでフォロー、評価する場合は複数回評価し, 平均値をとることが重要.
それよりも可能ならば最低一度は24時間蓄尿はすべきなのであろう.