感冒薬にも含まれ, しばしば中毒症の原因となる.
(Typical servingsで, コーヒーが480mlってのは流石に米国という感じ)
(Journal of Analytical Toxicology, 2017;41:167–172)
*ちなみに眠眠打破は120mg, 強強打破は150mg
・カフェインの致死量は5-10g, もしくは150-200mg/kg
(Journal of the Intensive Care Society 2017, Vol. 18(4) 354)
カフェインは摂取されると胃や象徴で速やかに吸収
血中濃度ピークまでの時間は30-90分程度
Bioavailabilityはほぼ100%
・カフェインはほぼ代謝され, カフェインのまま尿中排泄されるのは~3%程度のみ
・吸収後はVolume of distribution 0.6-0.7L/kgで分布し, 半減期は3-7時間. 乳幼児ではさらに長い.
・代謝は肝臓のCYP1A2が関与し, paraxanthine, theobromine, theophyllineに代謝される
・またカフェインは容易にBBBを通過し, Adenosine受容体に作用
(Journal of Analytical Toxicology, 2017;41:167–172)
カフェインは精神に作用する物質で最も広く使用されている.
・20-200mg程度の摂取では軽度の陽性症状(気分が良くなる, エネルギーが満たされるような感覚)を生じる.
・200-800mgの大量摂取では陰性症状が出現(不安症状など)
特に普段からカフェイン摂取しない患者で生じやすい.
(JAMA. 1994;272:1043-1048)
カフェイン中毒
カフェインの作用は3つ:
中枢のアデノシン受容体阻害作用
Phosphodiesterase阻害によるcAMP上昇
細胞内Ca濃度の上昇
・この3つの作用により様々な症状を呈する:
悪心嘔吐, 下痢, 高血圧, 低血圧, 頻脈, 不整脈
不眠, 興奮, せん妄, 幻覚, 精神症状, 筋線維束性攣縮, 痙攣,
横紋筋融解症, 低K血症, 代謝性アシドーシス, 高血糖, WBC上昇
・死亡例は主に不整脈が関連している
・カフェイン中毒の診断は250mgを超えるのカフェインを摂取後
restlessness, nervousness, 不眠, 消化管症状, 頻脈の5つ以上の症状を認めることで定義される.
(Curr Addict Rep. 2014 September ; 1(3): 186–192)(Forensic Sci Med Pathol (2017) 13:355–358)
血中濃度は<10mg/Lならば特に問題はないが, >80mg/Lでは死亡リスクがある.
・報告では<40mg/Lでも死亡例報告あり.
・中毒症状は≥15mg/Lで出現し得る.
(Eur J Pediatr (2015) 174:1671–1678)
東京で2008-2013年に剖検され, 中毒の精査をされた4754例のうち, カフェイン中毒(>15µg/mL)は22例であった
・20-49歳が14例(63.6%)と最多.
・精神疾患の既往があった患者は16例(72.7%)
・20/22が死亡原因にカフェイン中毒とされていた
(Nihon Arukoru Yakubutsu Igakkai Zasshi. 2014 Oct;49(5):270-7.)
カフェイン依存症・離脱症
カフェインで最も問題となりやすいのが離脱症
自己申告におけるカフェイン依存症症例の解析
(JAMA. 1994;272:1043-1048)
・患者は18-50歳で, 最低でも高校卒業程度の学力があり, 血圧正常, 心拍数正常, 心電図異常なし, カフェイン摂取の禁忌がない(不整脈など)患者, 違法薬剤使用していない患者, 非妊婦患者を対象.
・上記を満たす16例の平均年齢は38歳.
・カフェイン摂取量は357mg/d(129-2548)
・依存基準のうち平均3.4項目を満たした
(Tolelance 75%, 離脱症状 94%, 減量必要性の自覚, 減量失敗 81%, 依存や使用による不利益を知りながら長期間使用 94%)
これらを満たす11例で, 二重盲検化した状態でカフェインwithdrawalを施行.
・9例(82%)で離脱症状(+)
頭痛を強く訴えたのが7例
倦怠感や抑うつ症状, 無気力感を強く訴えたのが7例
鎮痛薬を強く欲したのが5例
日常生活の障害を自覚したのが8例であった.
・上記以外にインフルエンザ様症状, 集中ができない, などの症状も認められる.
カフェイン中毒と診断され, 治療目的に受診した94例の解析
(Psychol Addict Behav. 2012 December ; 26(4): 948–954.)
・平均年齢41歳, 女性55%
カフェイン摂取量は平均548mg/d(120-2667)
カフェイン摂取減量の試行回数は平均2.7回
・摂取方法はコーヒーが50%, ソフトドリンクが37%
・依存の診断基準は,
離脱症状が96%, 減量の必要性の自覚, 原料失敗が89%,
依存や使用による不利益を知りながら長期間使用 87%
カフェイン離脱症状の頻度
・多い症状は頭痛, 集中力の低下, 倦怠感, イライラなど
カフェインの離脱症状のReviewより(Psychopharmacology (2004) 176: 1–29)
・頭痛: 離脱症状では最も多い. 47%[9-100]で認められる
中等度~重度の頭痛が50%
カフェイン使用者の報告では, 頭痛は24%[8-56]
カフェイン中止後早期に生じ, 再摂取で改善する
・疲労感/倦怠感: 頻度は27%程度(21-56%)
・活動性の低下: 頻度は36%程度
・注意力の低下: 頻度は27-50%
・嗜眠/傾眠: 頻度は45%・満足感, 幸福感の低下: 頻度は18-64%程度
これら症状は早期に出現し, 再摂取で速やかに改善.・社交性の低下: 頻度は9-79%と幅がある
これら症状は早期に出現し, 再摂取で速やかに改善.・社交性の低下: 頻度は9-79%と幅がある
・インフルエンザ様症状: 頻度は31%
・気分障害, 低下: 頻度は16%[11-36]
他には,
集中力の低下
イライラ感
モチベーションの低下
頭がすっきりしない
あくび
自信の低下
狼狽
イライラ感
モチベーションの低下
頭がすっきりしない
あくび
自信の低下
狼狽
悪心嘔吐,
筋肉痛/こわばり,
不安,
手足が重い,
ふらつき,
複視などなど 様々認められる.
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コーヒー、お茶、エナジードリンク使用歴はもう少ししっかりと, 詳しく聞かないといけないなぁと自戒