Rivaroxaban with or without Aspirin in Stable Cardiovascular Disease. NEJMより
COMPASS trial: 安定した動脈硬化性血管疾患の既往がある患者を対象とした3x2 partial factrial designのDB-RCT.
・患者は冠動脈疾患もしくはPADの既往がある群.
<65歳の冠動脈疾患患者では, さらに2つ以上のリスク因子を有する群(喫煙, DM, GFR<60mL/分, 心不全, 1ヶ月以上前の非ラクナ梗塞)
・除外項目: 出血リスクが高い, 最近のStroke, 出血性梗塞やラクナ梗塞, 重症心不全, GFR<15mL/分, DAPT, 抗凝固施行, 他の抗血小板療法, 心血管疾患以外で予後不良な状況
上記を満たす27000例の患者群をRivaroxaban ± ASA vs ASA単独群に割付け
また一方ではPantoprazole vs Control群に割付け, 予後を比較(こちらはOn-going).
対象患者はRivaroxabanもしくはPlacebo + ASAを開始し, 経過観察. このとき継続できない症例は除外される(Run-in period).
・CABG施行した患者はRun-in periodなしで術後4-14日に割付け.
上記Run-inを終えた患者を,
・Rivaroxaban 2.5mg bid + ASA 100mg/d群
・Rivaroxaban 5.0mg bid + Placebo群
・Placebo + ASA 100mg/d群に割付け, 平均23ヶ月フォローした.
母集団
・冠動脈疾患既往が9割
・MI既往が6割を占める.
・Stroke既往は4%のみ.
アウトカム
・Rivaroxaban 5mg bidとASA単独を比較すると
脳梗塞リスクは有意に低下するものの, 脳出血リスクは有意に上昇する結果
・2.5mg bidとASA併用群とASA単独群では, 脳梗塞リスクを低下させ, 出血リスクは増大させない.
出血リスク
・Rivaroxaban使用群ではMajor bleedingリスクは上昇.
特に消化管, 皮膚.
・致命的な出血リスクは変わらない
サブ解析
・特に65歳未満での症例では有用な可能性(動脈硬化性疾患+2つ以上のリスク)
・75歳以上の高齢者では微妙.
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このStudyでOn-going中のPPI併用 or NOTでの比較で, 消化管出血リスクが減少するならば, 動脈硬化Highリスク患者における少量のNOAC+ASA併用が流行るかもしれない.
同様の報告に, APPRAISE-2 trialがある:
APPRAISE-2: AMI後の患者を対象としたDB-RCT(APPRAISE-2)
通常の抗血小板療法 + Apixaban 5mg bid vs Placeboで比較.
(N Engl J Med 2011;365:699-708.)
・N=7392名を導入した時点でStudy中止. 平均フォロー期間241d
MI再発予防効果がなく, 出血リスクのみ上昇したことが理由.
Full doseのNOACはリスクの方が強いが, 低容量NOACの併用で動脈硬化が強い患者ではStroke予防効果が期待できる可能性がある.
高齢者では避けた方が良いだろうけども.