厚生労働省のクライテリアでは, HLAは参考所見としており,
・HLA-B51陽性例は5-6割,
・HLA-A26陽性例が2-3割認められる.
他にもHLA-B5はベーチェット病との関連性があるとされており,
HLA-B5, B51とベーチェット病の関連を評価したMeta-analysisではHLA-B51/B5はBD発症OR 5.78[5.00-6.67]
(Arthritis Rheum. 2009 Oct 15;61(10):1287-96.)
地域別の評価:
・東アジアではBD患者の55%で陽性.
・Control群では20%程度
・Control群では20%程度
・HLA-B51もB5双方ともベーチェット病に対するOR 5.6-5.9と高い.
・HLA-B51/B5陽性例では眼球やCNS病変, 大血管病変との関連性はない
日本国内よりBD症例384例とControl 384例を比較.
(MOJ Immunol 2014, 1(3): 00013)
・BD発症と関連性があるHLAはHLA-A26とHLA-B51
日本国内のBD + ブドウ膜炎患者88例の解析
(Clin Exp Rheumatol 2010; 28 (Suppl. 60): S39-S44. )
・HLA-B51陽性率は46.6%.
・またHLA-A26陽性率も37.5%と高い.
・両者どちらかが陽性となる例が77.3%.
・同時に陽性となる例は稀.
HLA-B51とHLA-A26陽性例の特徴比較
・HLA-B51の有無では視力予後に差はないものの, HLA-A26陽性例では視力予後不良に関連する可能性がある
韓国におけるBD 223例において, HLA-Aタイプを評価.
(Arthritis Research & Therapy 2011, 13:R49 )
・BD発症と関連性を認めたのは以下の3タイプ:
HLA-A*02:07 (OR 2.03), HLA-A*26:01(OR 1.85), HLA-A*30:03(OR 2.51)
・一方でHLA-A*33:03はBD発症リスクの低下を認めた(OR 0.59)
上記以上を日本国内のCohortでも評価
・HLA-A02, HLA-A26はベーチェット病との関連を認める.
・HLA-A33はベーチェット病の可能性を下げる結果.
陽性パターンと皮膚病変, ブドウ膜炎のリスク
・HLA-A26はブドウ膜炎との関連がある. HLA-B51も認めるが, それよりも高リスク
スペインのBD症例 304例と313例のControlの比較では, BDに関連性のあるHLAタイプは以下のとおり
(Arthritis Research & Therapy 2013, 15:R145 )
・HLA-A24, B51, B57はリスク上昇
・HLA-B35, B58はリスク減少
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・ベーチェット病ではHLA-B51とHLA-A26が関連している.
HLA-A26は眼病変や眼予後との相関性が高い可能性がある.
・他にはHLA-B5, HLA-A2も関係しているかもしれない.
・また, これらは人種により差がある