症例: 70歳台女性, 主訴数日の経過の変動する右片麻痺, 呂律障害
数年前にRAを指摘されているが, 使用している薬剤はNSAIDと少量PSLのみで近医フォロー中。
3-4日前より右下肢の脱力、歩行困難となった. 軽快, 増悪を繰り返し, さらに呂律障害を呈したため救急要請.
診察で手関節、MP関節、PIPの変形, 関節炎所見あり、リウマチ結節も複数認められた.
頭部MRIではDWIで脳の表層に一致した線状, 点状高信号所見(髄膜)が認められた.
髄液検査では, 細胞数50(多核球60%), タンパク60mg/dL, 糖45mg/dL(血糖90mg/dL)
参考画像(画像は論文より. 実際の症例も類似した所見でした)
(J Neuroradiol. 2014 Oct;41(4):275-7.)
これらの所見よりリウマチ性髄膜炎が疑われた, という症例.
リウマチ性髄膜炎
(Rheum Dis Clin N Am 43 (2017) 561–571)
RAに関連する髄膜炎は稀ではあるが, 重大な合併症
・脳, 脊髄を覆う3層の膜: 硬膜, くも膜, 軟膜全てに炎症を生じ得る
>> 硬膜炎, 軟髄膜炎, その合併
・RA髄膜炎は局所~びまん性の炎症まで様々であるが, 部位は脊髄よりも大脳周囲で多い.
・基本的に長期間の経過のRAで合併する.
関節症状が安定していても生じるため, RA患者で新規神経症状が出現した場合は常に注意.
RA髄膜炎の症状は様々
・炎症の部位, 局所性かびまん性かでも異なる.
頭痛や痙攣, 神経局所症状, 意識障害, 脳神経障害は多い.
・19例の症例報告のReviewでは, 意識障害が47%, 脳神経障害が26%, 片麻痺/対麻痺が21%, 痙攣が21%, 頭痛が11%との報告がある
また, 皮下リウマチ結節が67%, 臓器リウマチ結節が47%で認められる.
リウマチ性血管炎を合併している症例もある
(Semin Arthritis Rheum. 1989 May;18(4):258-66.)(Clin Rheumatol (2003) 22: 475–480)
RA髄膜炎の診断は画像所見と病理
・造影MRIでは髄膜の肥厚・造影効果が認められる.
局所的な異常所見が主だが, びまん性のこともある.
・同部位の組織では単核球浸潤, 形質細胞浸潤が認められるが, これら所見は非特異的.
リウマチ結節が認められれば特異的所見となる.
・また肉芽腫性炎症所見が認められることもある. 血管炎所見は稀.
・CSF中の抗CCP抗体やRFが上昇する報告もあり(Front. Neurol. 10:666. doi: 10.3389/fneur.2019.00666 )
・CSF所見は非特異的. 単核球優位となるが, 多核球の上昇パターンもある. 髄液糖も正常~低下まで様々
画像の例
(Rheumatol Int (2012) 32:3679–3681)
(J Neuroradiol. 2014 Oct;41(4):275-7.)
(Clin Rheumatol (2003) 22: 475–480)
RA髄膜炎の鑑別疾患は様々.
・肥厚性硬膜炎を呈する疾患群
IgG4関連疾患, ANCA関連血管炎, サルコイドーシス, 悪性腫瘍の髄膜播種など
・感染症では, 結核性髄膜炎, NTM, 真菌, 神経梅毒, ウイルス
・使用している薬剤による中枢障害
・RA+リンパ増殖性疾患の合併
RAに関連するCNS障害のまとめ
(Best Practice & Research Clinical Rheumatology 32 (2018) 500-510)
RA髄膜炎の治療
・Clinical trialは無し.
・よく使用されているのはステロイド(mPSLパルス).
ステロイドにDMARDs, アザチオプリン, シクロホスファミドを併用することもある.
・治療でもMRI所見は残存することが多い
・再発することもあるため注意.
特に専門は絞っていない内科医のブログ *医学情報のブログです. 個別の相談には応じられません. 現在コメントの返事がうまくかけませんのでコメントを閉じています. コメントがあればFBページでお願いします
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2019年9月11日水曜日
2019年9月9日月曜日
ダサチニブ胸水
CMLでダサチニブ(スプリセル®)を1年前に開始された患者で,
両側性の大量胸水貯留をきたした症例.
ダサチニブは薬剤性胸水貯留を高頻度で来す薬剤であり,
薬剤自体は血液内科でしか使用しないと思われるが, 胸水貯留の鑑別として知っておいた方が良いかもしれない
Dasatinib胸水
(Current Opinion in Pulmonary Medicine 2010, 16:351 – 356)
・Dasatinibではおよそ20%で胸水貯留が認められ, 薬剤継続困難の主要な原因の1つとなる.
・特に2回/日の投与でリスクとなるため, 現在では1回/日で投与する
Dasatinibの投与量, 回数を評価したPhase 3. CA180-034における胸水貯留の頻度:
(Cancer 2010;116:377–86.)
・投与量が多いほど, また1日投与回数が多いほど胸水貯留リスクは増大.
・100mg/dを1日1回投与で最もリスクは低い.
他のリスク因子としては, 高齢者が挙げられる
(Current Opinion in Pulmonary Medicine 2010, 16:351 – 356)
DasatinibのPhase 3 trial, DASISION, CA180-034における胸水貯留症例
(Clinical Lymphoma, Myeloma & Leukemia, Vol. 17, No. 2, 78-82 a 2016 )(Haematologica. 2019 Jan;104(1):93-101. doi: 10.3324/haematol.2018.188987.)
・薬剤開始後〜胸水貯留までの期間は様々. 数年後に出現する例も珍しくはない
・Gradeも軽度〜重度まで様々である.
・胸水貯留の有無で予後や治療反応性には影響しない.
胸水はリンパ球有意(90%程度)の滲出性胸水となる.
症例報告ではTGが上昇する, 乳び胸となる例も報告あり
・胸水貯留の機序は判明していないが, 滲出性胸水, リンパ球有意からは免疫機序の胸膜炎が示唆される
血小板由来成長因子受容体, βポリペプチドの非標的抑制などの関与.
・ラットを用いた研究では, Dasatinib投与により用量依存性, 可逆性の内皮細胞透過性の亢進が生じる報告もある(Eur Respir J 2018; 51: 1701096 )
ダサチニブ胸水の対応
(Current Opinion in Pulmonary Medicine 2010, 16:351 – 356)
・大量胸水で症候性ならば休薬+ステロイドを検討
・ただし, ステロイド投与は確立された方法とは言いがたく, 短期的な投与に限るべき. 長期的な使用は避けるべきとするReviewもある(Clinical Lymphoma, Myeloma & Leukemia, Vol. 17, No. 2, 78-82 a 2016)
イタリアにおける報告:
2005-2017年に21箇所の血液センターでCML-chronic phaseでDASを使用された853例中, 196例で胸水貯留を認めた(23.0%)
(Ann Hematol. 2018 Jan;97(1):95-100. doi: 10.1007/s00277-017-3144-1.)
・胸水貯留を認めた患者の初期投与量hが100mg/dが7割と最多
・DAS開始後~胸水貯留っまでは16.6ヶ月[0.3-109.0]
1年以内~5年以降まで様々なタイミングで出現
・心嚢水貯留っもある
・投与量を減らした後も半数で再発.
取られた対応
・主には休薬, ステロイド, 利尿薬
-------------------------
最近は1st lineで用いられる薬剤でもあり, しかも胸水貯留リスクは20-30%と非常に高い.
押さえておいた方が良さそうです.
両側性の大量胸水貯留をきたした症例.
ダサチニブは薬剤性胸水貯留を高頻度で来す薬剤であり,
薬剤自体は血液内科でしか使用しないと思われるが, 胸水貯留の鑑別として知っておいた方が良いかもしれない
Dasatinib胸水
(Current Opinion in Pulmonary Medicine 2010, 16:351 – 356)
・Dasatinibではおよそ20%で胸水貯留が認められ, 薬剤継続困難の主要な原因の1つとなる.
・特に2回/日の投与でリスクとなるため, 現在では1回/日で投与する
Dasatinibの投与量, 回数を評価したPhase 3. CA180-034における胸水貯留の頻度:
(Cancer 2010;116:377–86.)
・投与量が多いほど, また1日投与回数が多いほど胸水貯留リスクは増大.
・100mg/dを1日1回投与で最もリスクは低い.
他のリスク因子としては, 高齢者が挙げられる
(Current Opinion in Pulmonary Medicine 2010, 16:351 – 356)
DasatinibのPhase 3 trial, DASISION, CA180-034における胸水貯留症例
(Clinical Lymphoma, Myeloma & Leukemia, Vol. 17, No. 2, 78-82 a 2016 )(Haematologica. 2019 Jan;104(1):93-101. doi: 10.3324/haematol.2018.188987.)
・薬剤開始後〜胸水貯留までの期間は様々. 数年後に出現する例も珍しくはない
・Gradeも軽度〜重度まで様々である.
・胸水貯留の有無で予後や治療反応性には影響しない.
胸水はリンパ球有意(90%程度)の滲出性胸水となる.
症例報告ではTGが上昇する, 乳び胸となる例も報告あり
・胸水貯留の機序は判明していないが, 滲出性胸水, リンパ球有意からは免疫機序の胸膜炎が示唆される
血小板由来成長因子受容体, βポリペプチドの非標的抑制などの関与.
・ラットを用いた研究では, Dasatinib投与により用量依存性, 可逆性の内皮細胞透過性の亢進が生じる報告もある(Eur Respir J 2018; 51: 1701096 )
ダサチニブ胸水の対応
(Current Opinion in Pulmonary Medicine 2010, 16:351 – 356)
・大量胸水で症候性ならば休薬+ステロイドを検討
・ただし, ステロイド投与は確立された方法とは言いがたく, 短期的な投与に限るべき. 長期的な使用は避けるべきとするReviewもある(Clinical Lymphoma, Myeloma & Leukemia, Vol. 17, No. 2, 78-82 a 2016)
イタリアにおける報告:
2005-2017年に21箇所の血液センターでCML-chronic phaseでDASを使用された853例中, 196例で胸水貯留を認めた(23.0%)
(Ann Hematol. 2018 Jan;97(1):95-100. doi: 10.1007/s00277-017-3144-1.)
・胸水貯留を認めた患者の初期投与量hが100mg/dが7割と最多
・DAS開始後~胸水貯留っまでは16.6ヶ月[0.3-109.0]
1年以内~5年以降まで様々なタイミングで出現
・心嚢水貯留っもある
・投与量を減らした後も半数で再発.
取られた対応
・主には休薬, ステロイド, 利尿薬
-------------------------
最近は1st lineで用いられる薬剤でもあり, しかも胸水貯留リスクは20-30%と非常に高い.
押さえておいた方が良さそうです.
2019年9月7日土曜日
多系統萎縮症とパーキンソン病の排尿障害パターン
(Neurology® 2019;93:e946-e953. doi:10.1212/WNL.0000000000008053)
MSA, PDで排尿検査を行なった患者群のReview.
・専門施設で診断された症例のみを抽出し, 非定型例や二次性パーキンソン, 骨盤手術歴, 放射線治療歴がある患者は除外.
・MSA 107例(男性50), PD 112例(男性57)で評価
MSAはMSA-Cが52, MSA-Pが55例
両群の比較
・MSA症例は泌尿器科コンサルト, 検査されるまでの期間が有意に短い(2.9±1.9年 vs 7.6±4.6年)
・症状は尿意切迫感が有意にPDで多く, 尿閉症状は有意にMSAで多い
排尿検査
・MSAでは尿流が弱く, 残尿量が多い. 膀胱容積も増大する
・ PDでは排尿筋過活動が主に認められる.
--------------------------
変性疾患でも両者では排尿障害のパターンが異なる.
MSAでは尿流の低下, 残尿の増加が主となり, 尿閉症状が問題となりやすい
PDでは排尿筋の過活動が主であり, 尿意切迫など過活動性膀胱が主になる.
MSA, PDで排尿検査を行なった患者群のReview.
・専門施設で診断された症例のみを抽出し, 非定型例や二次性パーキンソン, 骨盤手術歴, 放射線治療歴がある患者は除外.
・MSA 107例(男性50), PD 112例(男性57)で評価
MSAはMSA-Cが52, MSA-Pが55例
両群の比較
・MSA症例は泌尿器科コンサルト, 検査されるまでの期間が有意に短い(2.9±1.9年 vs 7.6±4.6年)
・症状は尿意切迫感が有意にPDで多く, 尿閉症状は有意にMSAで多い
排尿検査
UFM: uroflowmetry
PVR: post void residual
・MSAでは尿流が弱く, 残尿量が多い. 膀胱容積も増大する
・ PDでは排尿筋過活動が主に認められる.
--------------------------
変性疾患でも両者では排尿障害のパターンが異なる.
MSAでは尿流の低下, 残尿の増加が主となり, 尿閉症状が問題となりやすい
PDでは排尿筋の過活動が主であり, 尿意切迫など過活動性膀胱が主になる.
2019年9月6日金曜日
日本におけるPOEMS症候群のServey
POEMS症候群についてはコチラ
(Neurology® 2019;93:e975-e983. doi:10.1212/WNL.0000000000008062)
2015年に日本全国の神経内科, 血液内科を対象にPOEMS症候群のSurveryを施行.
2012年から2015年に診療したPOEMS症候群を評価した.
・評価から推定されたPOEMS症候群の推定数は392例[320-464], 有病率は0.3/10万
・神経内科で診療される症例の方がやや多い.
詳細が評価できた167例の解析では,
・発症年齢は54歳[21-84], 男女比は1.5
・≤65歳が84%と多い
・骨髄中形質細胞は2.4%[0-30]
・VEGFは高値であることが多い.
POEMS症候群症例の臨床所見
・運動機能が正常なのは9%のみ.
・多発神経障害は100%で認められ, M蛋白血症は86%(IgG, IgAκが大半)
・骨病変は58%, その大半が骨硬化性
・Castleman病合併は11%
・臓器腫大は脾腫, 肝腫大が半数
・体腔液貯留は胸水, 腹水が主で, 末梢の浮腫は2割程度
・皮膚病変は色素沈着や多毛, 肥厚
治療内容と反応性
予後
・A: 全体. 5年生存率 97%[92-98]
B: ASCT症例: 5年生存率 99%[90-100]
C: ASCT後の5年再発Free 78%[47-82]
------------------------
POEMS症候群. 総合診療科でもたまに御目に掛かる病態.
多彩な症状, 所見, 血液検査異常を呈し, 知っていれば疑うことは難しくはないと思われる.
個人的には神経障害はCIDP様, 骨病変は硬化性病変がほとんど, という点はキモだと思う.
(Neurology® 2019;93:e975-e983. doi:10.1212/WNL.0000000000008062)
2015年に日本全国の神経内科, 血液内科を対象にPOEMS症候群のSurveryを施行.
2012年から2015年に診療したPOEMS症候群を評価した.
・評価から推定されたPOEMS症候群の推定数は392例[320-464], 有病率は0.3/10万
・神経内科で診療される症例の方がやや多い.
詳細が評価できた167例の解析では,
・発症年齢は54歳[21-84], 男女比は1.5
・≤65歳が84%と多い
・骨髄中形質細胞は2.4%[0-30]
・VEGFは高値であることが多い.
POEMS症候群症例の臨床所見
・運動機能が正常なのは9%のみ.
・多発神経障害は100%で認められ, M蛋白血症は86%(IgG, IgAκが大半)
・骨病変は58%, その大半が骨硬化性
・Castleman病合併は11%
・臓器腫大は脾腫, 肝腫大が半数
・体腔液貯留は胸水, 腹水が主で, 末梢の浮腫は2割程度
・皮膚病変は色素沈着や多毛, 肥厚
治療内容と反応性
予後
・A: 全体. 5年生存率 97%[92-98]
B: ASCT症例: 5年生存率 99%[90-100]
C: ASCT後の5年再発Free 78%[47-82]
------------------------
POEMS症候群. 総合診療科でもたまに御目に掛かる病態.
多彩な症状, 所見, 血液検査異常を呈し, 知っていれば疑うことは難しくはないと思われる.
個人的には神経障害はCIDP様, 骨病変は硬化性病変がほとんど, という点はキモだと思う.
2019年9月4日水曜日
N95マスクはウイルス性呼吸器感染症リスクを低下させない
インフルシーズンにおけるERでのN95マスクの着用は, 医療マスクと比較して感染リスクを低下させない, というRCTが2009年にでている(JAMA 2009;302:1865-71)
今現在, インフルを予防するために外来でN95マスクをつけている施設は無いと思われる(自分の知る限りは)が, 新たなCluster-RCTが発表
(JAMA. 2019;322(9):824-833. )
ResPECT: 多施設の外来におけるCluster-RCT.
ウイルス性呼吸器感染症がピークとなる時期において, 医療従事者がN95マスクを使用する群, 通常のマスクを使用する群に割り付け, 上気道感染症, インフルエンザ感染症リスクを比較した.
・対象者は成人の施設勤務者で, 普段患者の1.83m以内に近く立場の者.
フルタイム勤務で, 仕事時間の75%以上をその施設で過ごす者.
・2011-2015年の間に評価され, 各年N95マスク, 医療マスク群に割り付けされる.
・N95マスクは189施設, 1993名,
通常のマスクは191施設, 2058名で評価.
・検査で証明されたインフルエンザ感染症, 呼吸器感染症リスクを両群で比較した.
・呼吸器感染症の定義は, 1つ以上の所見(sign)か2つ以上の症状(symptom)が新規に出現することで定義
母集団
アウトカム
・インフルエンザ感染症, 呼吸器感染症リスクは両群で有意差なし.
---------------------------
N95の使用はウイルス性呼吸器感染症感染リスクを軽減しない.
インフルシーズンや冬の呼吸器感染症増加シーズンでの医療者の使用は推奨されるものではない.
というか, 普通使ってませんよね? ですよね?
今現在, インフルを予防するために外来でN95マスクをつけている施設は無いと思われる(自分の知る限りは)が, 新たなCluster-RCTが発表
(JAMA. 2019;322(9):824-833. )
ResPECT: 多施設の外来におけるCluster-RCT.
ウイルス性呼吸器感染症がピークとなる時期において, 医療従事者がN95マスクを使用する群, 通常のマスクを使用する群に割り付け, 上気道感染症, インフルエンザ感染症リスクを比較した.
・対象者は成人の施設勤務者で, 普段患者の1.83m以内に近く立場の者.
フルタイム勤務で, 仕事時間の75%以上をその施設で過ごす者.
・2011-2015年の間に評価され, 各年N95マスク, 医療マスク群に割り付けされる.
・N95マスクは189施設, 1993名,
通常のマスクは191施設, 2058名で評価.
・検査で証明されたインフルエンザ感染症, 呼吸器感染症リスクを両群で比較した.
・呼吸器感染症の定義は, 1つ以上の所見(sign)か2つ以上の症状(symptom)が新規に出現することで定義
母集団
アウトカム
・インフルエンザ感染症, 呼吸器感染症リスクは両群で有意差なし.
---------------------------
N95の使用はウイルス性呼吸器感染症感染リスクを軽減しない.
インフルシーズンや冬の呼吸器感染症増加シーズンでの医療者の使用は推奨されるものではない.
というか, 普通使ってませんよね? ですよね?
2019年9月3日火曜日
多発性骨髄腫に対するキイトルーダ®は副作用が増えるのみ
Pembrolizumab: キイトルーダ®, PD-1阻害作用を有する免疫チェックポイント阻害薬
200mgを3wk毎に投与. 1回あたり70万円強
この薬剤の多発性骨髄腫に対して使用したPhase 3 trialが2つ発表.
KEYNOTE-185, KEYNOTE-183
KEYNOTE-185: 未治療, 骨髄移植適応外の多発性骨髄腫症例において, Pembrolizumab+LD vs LD療法群に割り付け, 比較したopen-label RCT.
(Lancet Haematol. 2019 Sep;6(9):e448-e458. doi: 10.1016/S2352-3026(19)30109-7.)
・Lenalidomide: 25mgをDay 1-21,
Dexamethasone: 40mgをDay 1,8,15,22,
28日サイクル
・Pembrolizumab: 200mg 3wk毎
・患者は成人, 未治療, 移植適応外のMM. ECOG 0-1, 十分な臓器機能を有する群
母集団:
・StudyはN=640を目標としていたが, FDAにより途中で中止を指示
ProtocolへのAdherenceや安全性への懸念
中止の時点でのアウトカムには有意差はない
副作用
・Grade 3以上の重度の副作用はPembrolizumab群で多い.
・irAEと死亡に関連した副作用
KEYNOTE-183: 再発性, 難治性MMに対するPembrolizumab + Pomalidomide + Dexを評価したRCT.
(Lancet Haematol. 2019 Sep;6(9):e459-e469. doi: 10.1016/S2352-3026(19)30110-3.)
・Pomalidomide: 4mgをDay 1-21,
Dexamethasone: 40mgをDay 1,8,15,22,
28日サイクル
・Pembrolizumab: 200mg 3wk毎
・患者は成人例のMMで過去2回以上の治療を行なったが不応, 再発した症例. ECOG 0-1を満たす群
・非分泌型や乏分泌型, MGUS, 形質細胞種, WM, 薬剤へのアレルギーを認める例は除外. 2年以内に全身性治療を有する自己免疫性疾患や間質性肺炎がある患者は除外. アミロイドーシス, か粘稠, POEMS, 繰り返す感染症症例も除外.
母集団
・300人を予定していたが, FDAより安全性の懸念が生じたため, 中断
アウトカム
・PFSはPD療法群で有意に良好. Pembrolizumabでは予後増悪
副作用頻度
irAE, 死亡に関連した副作用
-------------------------
血液領域では現時点でホジキンリンパ腫まで適応があるキイトルーダ®
多発性骨髄腫ではその効果よりも副作用による死亡リスク上昇の懸念が生じた結果であった.
200mgを3wk毎に投与. 1回あたり70万円強
この薬剤の多発性骨髄腫に対して使用したPhase 3 trialが2つ発表.
KEYNOTE-185, KEYNOTE-183
KEYNOTE-185: 未治療, 骨髄移植適応外の多発性骨髄腫症例において, Pembrolizumab+LD vs LD療法群に割り付け, 比較したopen-label RCT.
(Lancet Haematol. 2019 Sep;6(9):e448-e458. doi: 10.1016/S2352-3026(19)30109-7.)
・Lenalidomide: 25mgをDay 1-21,
Dexamethasone: 40mgをDay 1,8,15,22,
28日サイクル
・Pembrolizumab: 200mg 3wk毎
・患者は成人, 未治療, 移植適応外のMM. ECOG 0-1, 十分な臓器機能を有する群
母集団:
・StudyはN=640を目標としていたが, FDAにより途中で中止を指示
ProtocolへのAdherenceや安全性への懸念
中止の時点でのアウトカムには有意差はない
副作用
・Grade 3以上の重度の副作用はPembrolizumab群で多い.
・irAEと死亡に関連した副作用
KEYNOTE-183: 再発性, 難治性MMに対するPembrolizumab + Pomalidomide + Dexを評価したRCT.
(Lancet Haematol. 2019 Sep;6(9):e459-e469. doi: 10.1016/S2352-3026(19)30110-3.)
・Pomalidomide: 4mgをDay 1-21,
Dexamethasone: 40mgをDay 1,8,15,22,
28日サイクル
・Pembrolizumab: 200mg 3wk毎
・患者は成人例のMMで過去2回以上の治療を行なったが不応, 再発した症例. ECOG 0-1を満たす群
・非分泌型や乏分泌型, MGUS, 形質細胞種, WM, 薬剤へのアレルギーを認める例は除外. 2年以内に全身性治療を有する自己免疫性疾患や間質性肺炎がある患者は除外. アミロイドーシス, か粘稠, POEMS, 繰り返す感染症症例も除外.
母集団
・300人を予定していたが, FDAより安全性の懸念が生じたため, 中断
アウトカム
・PFSはPD療法群で有意に良好. Pembrolizumabでは予後増悪
副作用頻度
irAE, 死亡に関連した副作用
-------------------------
血液領域では現時点でホジキンリンパ腫まで適応があるキイトルーダ®
多発性骨髄腫ではその効果よりも副作用による死亡リスク上昇の懸念が生じた結果であった.
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