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2020年4月24日金曜日

EGPAにおけるMPO-ANCA陽性, 陰性例の神経病理の比較

(Neurology. 2020 Apr 21;94(16):e1726-e1737.)

名古屋大学における後ろ向き解析
腓腹神経生検を行なったEGPA 82例においてMPO-ANCA陽性例 32.9%と陰性例 67.1%で所見を比較. PR3-ANCA陽性例は無し.

陽性例, 陰性例の比較


MPO-ANCA陽性例の方が上肢の障害が多くCRPも高値となる

病理所見の比較

MPO-ANCA陽性例では, 神経周囲の血管の破壊像が多く, 陰性例では抗酸球浸潤を伴う例が多く, 血管内の閉塞伴うことが多い.

病理所見の例
 MPO-ANCA陽性例

 MPO-ANCA陰性例

両者の血管サイズと血管内の好酸球占有の程度


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EGPAは血管炎としての側面と好酸球増多に伴う臓器障害の2面性があり, 診療する際はどちらが優位なのかを意識しつつ, CYCやRTXの使用, メポリズマブの使用などを検討する.

今回の報告では
MPO-ANCA陽性例では血管炎(による神経障害)が優位, 
陰性例では好酸球増多が優位(抗酸球浸潤やそれによる血管閉塞, 虚血により神経障害が生じる)となることを示してくれた非常に興味深いもの.

この図で綺麗にまとめてくれています