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2018年1月6日土曜日

脳梗塞発症6-24時間での血管内治療

脳梗塞急性期での血管内治療はコチラも参照

結局発症何時間までならば効果的なのか, というのは2016年に発表されたJAMAのMetaでは7時間18分という結果.
(JAMA. 2016;316(12):1279-1288. )

血管内治療を評価した5 RCTsMeta-analysisにおいて発症~治療までの時間とアウトカムを評価
・7時間18分までは予後改善効果がある
タイムリミットは6-7h程度という結論

あたらしくNEJMより発表されたDAWN trial:
発症(最終確認後) 6-24時間の脳梗塞(ICA, MCAの起始部の閉塞)でも,
臨床症状と画像所見に解離があれば血管内治療は効果的である可能性が示唆
(N Engl J Med 2018;378:11-21.)

DAWN trial: ICA, MCAの近位部(1st segment)の閉塞を呈した発症6-24hの脳梗塞症例を対象.
・さらに臨床症状と画像所見に解離がある患者を対象とした;
  ≥80歳の群で且つNIHSS ≥10の群において梗塞部位が<21ml
  <80歳で且つNIHSS ≥10の群において梗塞部位が<31ml
  <80歳で且つNIHSS ≥20の群において梗塞部位が31-51ml
 梗塞範囲はMRI-DWIで評価.
・他の導入基準は≥18, 脳梗塞前のmRS 0-1, CT/MRIで頭蓋内出血所見(-)
 MCA領域の1/3を超える脳梗塞を認めない患者群.
上記を満たす患者群を 
 内科的治療+血管内血栓除去術 vs 内科的治療単独群に割付け神経予後を比較.

母集団:
最終確認~麻痺出現までの時間は12-13時間

アウトカム:
・血管内治療群の方が有意に神経予後は良好であった.

Sub解析でも, 発症6-12h, 12-24h双方とも血管内治療群で神経予後は改善.

合併症頻度
・手技に関連する合併症は当然のことながらある.
・死亡リスクは有意差なし.

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発症6-7時間を超えた, また12時間を超えたICA, MCA梗塞でも神経学的所見と画像所見に解離があれば血管内治療を考慮する価値はあるかもしれない.