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2012年7月17日火曜日

女性の倦怠感ではフェリチン低値をチェック

閉経前の女性の倦怠感では貧血がなくても鉄欠乏があるかもしれない。

倦怠感が主訴, 貧血(-)の18-55歳の女性144名を,
 鉄剤 80mg/d vs Placeboに割り付けて倦怠感を比較したDouble-blind RCT.
(BMJ 2003;326:1124)

 投与後1ヶ月での倦怠感を10段階評価(VAS)で比較.

アウトカム; 鉄剤投与群では-1.82pt(1.7), Placebo群では-0.85pt(2.1)
 両者の差は0.97[0.32-1.62]と鉄剤投与群の方が有意に倦怠感の改善を認めた.

フェリチン値>50µg/L群では有意差は無く, ≤50µg/L群で有意に倦怠感の改善を認めている.

この結果を踏まえて,
倦怠感が主訴, Hb>12.0g/dL, フェリチン値<50µg/L を満たす18-53歳の女性198名を,
 鉄剤 80mg/d vs Placeboに割り付け, 倦怠感を比較したDouble-blind RCTが組まれた.
(CMAJ 2012; published online, 出版前の発表)

 12週目のフォローでは,

倦怠感は有意に鉄剤投与群の方が改善している.
QOLやうつ症状は有意差無し.

鉄剤投与群の方が当然フェリチン値、Hb値は上昇しているが, Hbの差は0.3g/dL程度.

この結果から,
女性の倦怠感をみたときに、貧血が無くても、MCVが正球性でもフェリチン値を評価するほうが良いということが分かる. またそれでフェリチン値が低値ならば補ってみるのも一つの手.