献本御礼
臨床推論の落とし穴 ミミッカーを探せ!
総合診療業界の西の雄のお一人である長野広之先生の執筆された本です.
「疾患のミミッカー」という定義には定まったものはなく, 人によりその言葉に持つ印象は異なるでしょう. この本では一般的な疾患を疑う/診断する時に, その疾患に表現型が近い疾患群をミミッカーと定義しています.
つまるところ, ミミッカー =「鑑別疾患の上位5つ」, というような印象でした.
その鑑別を押さえつつ, 診断を間違えないように注意する方策が書かれている.
そんな内容の本になります.
対象は初期研修近辺かと思います.
個人的にはミミッカーと聞くと,
・正直鑑別に万策突きて, ミミックの可能性がわかっていながら飛び込まねばならないギリギリな感じ.
・それなりに気をつけてても痛い目にあった失敗症例
・想定外に視野のそとからぶん殴られたような症例
をイメージしているので、ミミッカーと呼ぶのには違和感はありました.
ただ, コモンな疾患のコモンな鑑別疾患を扱う本, と考えればよい勉強材料になるのは間違えないので, 初期研修や医学生, 初学者にはお勧めします.