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2022年11月14日月曜日

感染性心内膜炎とANCA陽性

ANCAが陽性となる非血管炎疾患として感染性心内膜炎は有名.

その症例のSystematic reviewが出ていたので紹介

(Clin Rheumatol. 2022 Oct;41(10):2949-2960.)


Systematic reviewより, IEにおけるANCA陽性率を評価

・ANCA陽性のIE 182例を含む74件の文献報告+自験例をReviewした報告

ANCA陽性はIEの18-43%で認められ, 亜急性IEで多い(73%)

・ANCAのタイプはc-ANCA, PR3-ANCAが79%であった.
 

 11%がp-ANCA/MPO-ANCAで, 

 8%がDouble positive.
 

 Titerの中央値は4.5ULN(50%の患者が2.6~8.5ULNに収まる)


ANCA陽性IE症例

・血尿が82%, 低補体が68%で認める. 
Ig高値が90%と高い.

・腎障害が72%で認められ, 腎生検では59%で免疫複合体沈着あり.
 

 37例では非免疫性糸球体腎炎を認めた.


ANCA陽性IEの腎生検結果

・半月形成GNが半数で認められる.


ANCA陽性IEの経過


・ANCAは陰性かが69%, Titerの低下が20%.
 Titerが増加/横ばいは5%のみ.
 

 抗菌薬のみで治療した群でも同様に低下/消失する例が大半.

・追跡中に全身性血管炎を発症した報告はない