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2021年6月17日木曜日

院外CPA蘇生後の低体温療法 vs 正常体温維持療法(TTM-2)

 こちらも参照 

CPA蘇生後の低体温の体温目標値は36度でOK


心停止蘇生後では低体温を維持する治療が以前は行われていた.
(現在も? 自分の周りではもうすでに行われることは少なくなりました.)

その後, 2016年に低体温療法群と正常体温維持群(高体温を予防する)に割り付け比較したRCTがいくつか発表され, 低体温にするのではなく, 正常体温を維持すれば良いのだ, という知見が広まった.

しばらく空いて, その時のStudyの追試: TTM-2 trial

TTM2: 院外CPAで蘇生した成人症例1900例を対象としたopen-label with blinded assessment of outcomes RCT. 

(N Engl J Med 2021;384:2283-94.)
・対象患者: 18歳以上の成人で, 心臓性 or 原因不明と推定される院外心停止後に入院した患者を, 初期リズム波形に関係なく導入.
 
 蘇生後20分以上循環が維持できている患者で, さらに意識がなく, 言葉による指示に従わず, 痛みに対しても言葉の反応がない患者を対象とした.
・除外基準: 心拍動が戻ってから, スクリーニングまで180分以上経過した症例, 目撃者のいない心停止で初期波形がAsystoleの患者, 治療が制限されている患者.

・これら患者群を以下の2群に割り付け
 低体温群: 33度で28時間維持し, その後3時間に1度の速度で37度まで復温する.
 正常体温群: 37.5度を超えないように維持する
 対症療法や薬剤で37.8度以上となってしまう場合は, Cooling deviceを使用して対応する.

・アウトカムは死亡リスクと神経予後

母集団
・除細動適応となるリズムは7割強含まれる
・ROSCまでの時間は25分

アウトカム

・6ヶ月の死亡リスク, mRS 4-6は両者で有意差なし
・合併症は低体温群で多い結果