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2021年6月28日月曜日

本の感想: フレームワークで考える内科診断

 献本御礼


米国で集中治療医をしてらっしゃる, 田中竜馬先生が訳された本です。

フレームワーク法というのは (自分はそんな詳しくないですが),
各主訴, 症候ごとに, 機序や解剖を基本に分類し, そこから鑑別疾患を挙げる方法です


この本では, まずは主訴ごとに症例提示があり,
その後Q and A方式で, その主訴の総論的な説明, そしてフレームワークで分類した鑑別疾患と, その大まかな概要が記載されています.

その記載内容が, とても簡潔, なのに情報量が十分あり, 満足感が高いです.


このフレームワーク法の鑑別疾患の挙げ方としては, 私個人としては「VINDICATE」で鑑別する[Differential Diagnosis in Primary Care]が思い出されます.


現在は日本語訳もあるようです


私が医学生〜初期研修医の時分には, この本を使って, VINDICATEで考えながら鑑別疾患を勉強していました.
*VINDICATEは
 V – Vascular
 I – Inflammatory
 N – Neoplastic
 D – Degenerative / Deficiency
 I – Idiopathic, Intoxication
 C – Congenital
 A – Autoimmune / Allergic
 T – Traumatic
 E –  Endocrine

今もその習慣は抜けておらず, 考え方の根幹となっています.

経験を経ると, そのVINDICATEから, 主訴に応じて無駄を削ぎ落とし, 簡略化し, 日常診療で使用しやすいように落とし込むのですが,
この「フレームワークで考える内科診断」には, はじめから削ぎ落とされた完成形がそこにありました.

まずはこのフレームワークを頭に入れて診療し, さらに経験に応じて肉付してゆくと, より臨床力のUPにつながると思います.

外来診療や, 診断学でまずなにをしてよいか/どう考えて良いかわからない初学者(医学生〜)はこの本から勉強すると良いでしょう.