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2021年6月24日木曜日

ステロイドによる耐糖能障害は食後血糖の上昇が基本

 同じようなものは以前にも書いていた

参考: ステロイドユーザーの耐糖能障害の評価、介入

参考: ステロイド長期使用におけるメトフォルミンの併用

教育によく使えそうな報告が発表されたので紹介

(Rheumatology (Oxford). 2021 Jun 18;60(6):2842-2851)

元々糖尿病, 前糖尿病の既往がない,
炎症性リウマチ疾患でPSLを3ヶ月を超えて投与された150例において, OGTTを施行した前向き報告

・150例中, 女性は125例. 平均年齢は59.5歳.

 88%がPSL≤10mg/dの投与量で, 投与期間の中央値は81.2ヶ月

 調査時のステロイド投与量は5mg/d[2.5-7.5]であり, 少量の維持期間における調査といえるか

アウトカム

・OGTTの検査にて, 耐糖能正常だったのが102例(68%)

 空腹時耐糖能障害(IFT)単独 4.67% (食前 ≥100mg/dL, OGTT 2h <140mg/dL)


 食後耐糖能障害(IGT)単独 19.33% (食前 <100mg/dL, OGTT 2h 140-199mg/dL)


 IFT+IGT 4.67%


 糖尿病の診断 3.33% (OGTT 2h ≥200mg/dL), 5名. このうちIFT(-)は1例.


食後耐糖能障害単独, 糖尿病(空腹時正常)のリスク因子

・体脂肪率と50歳以上がリスク因子となる


TFP: 体脂肪率 

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長期間の少量ステロイドを使用している患者のおよそ25%(19.33+4.67)で食後耐糖能障害が認められる. 2割は食後耐糖能障害のみ.

空腹時血糖のみをフォローしても, それが異常となるのはおよそ10%弱(4.67+4.67).

糖尿病と診断された症例は5名(3.33%)で, このうちIFT(-)なのが1例.

IGT, DMのリスクとなるのは高齢者と体脂肪率

長期間ステロイドを使用しているリスク因子+患者ではたまに食後血糖の評価やOGTTも検討すべきかもしれない.

ステロイド長期使用におけるメトフォルミンの併用 では, メトフォルミンの併用により皮下脂肪量の減少効果もあり, IGTの予防にもなるのかも?