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2021年4月22日木曜日

重症筋無力症のステロイド投与レジメの比較

 (JAMA Neurol. 2021;78(4):426-433. doi:10.1001/jamaneurol.2020.5407)

MYACOR: フランスにおけるSingle-blind RCT
中等度〜重度の全身性MG患者を対象とし,
緩徐ステロイド調節群 vs 早期調節群に割り付け, 比較

・対象患者: 18-80歳で, アセチルコリン受容体, または筋特異的Tyrosine kinase protein抗体を認める患者. 血清陰性例では, Edrophonium試験が陽性で, Repetitive nerve stimulation試験が異常の患者群.

・除外項目: ステロイド or AZAを使用中, 2ヶ月以内のステロイド使用歴(後に1ヶ月に変更), 1年以内のAZA使用歴, ステロイド/AZA禁忌, 他の理由でステロイド/AZAが必要, 体重≥100kg, 妊婦

治療内容

・両群ともAZA ~3mg/kg/dを併用

緩徐群; 10mg/隔日で開始し, 2日毎に10mgずつ,  PSLを1.5mg/kg隔日投与(最大100mg)を目標に増量し, 維持. 

 病状が安定した時点から2wk毎に10mgずつ, 40mg/隔日まで減量し, 以後は1ヶ月毎に5mgずつ減量.

早期群; 0.75mg/kg/dで開始, 

 
①1ヶ月の時点で病状安定(MMS達成)した場合, その後0.45mg/kgまで10日毎に0.1mg/kg減量, 0.25mg/kgまで10日毎に0.05mg/kg減量, 以後は1mgずつ患者に応じて減量(126-140日かけてOff)


 ②1ヶ月でMMS達成できなかったが, 改善がある場合(MGFA postintervention statusでImproved), 20日毎に上記の通り減量.


 ③MMS達成できず, ②も満たさない場合, 初期量を3ヶ月継続. その後, 20日毎に上記と同様に減量し, 0.25mg/kg以降は減量しない. 状態が改善すれば減量を検討.

MMS: 症状はあるが, 日常生活に支障無し.


MGFA postintervention statusのimproved: QMGスコアが3点異常改善したもの

QMGスコア(Neurology 2000;55;16-23)

両群の母集団

・両群のPSL投与量
総投与量は,
10562±3573(緩徐) vs 8724±3955mg(早期)

アウトカム


・Primary outcome; 12ヶ月時点でのPSL投与無しでのMMS達成と, 12-15ヶ月における再燃, PSL使用無しの達成
 

 達成率は緩徐群で9%, 早期群で39%で, 有意に早期群で良好. 
ステロイド総投与量も少ない.

・12ヶ月におけるPSL投与量は緩徐群で8[2-15]mg, 早期群で0[0-3]


 15ヶ月では, 2[0-10] vs 0[0-4]

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MGにおけるステロイドは0.75mg/kg/d程度で開始し, 1年くらいを目処に早期に減量を行うレジメがよさそうである.