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2021年3月5日金曜日

内科入院患者(非重症)におけるVTEリスクを評価するスコア

 こちらも参照

急性疾患入院患者における院内DVTの頻度


ICU患者ではVTE予防を行うのは一般的となっているものの, 非ICUの内科入院患者ではまだその意義は確立されてはいない.

そもそも内科入院患者のVTE発症リスク評価自体がまだ定まっていない.

現在提唱されている, 3つのリスクスコアの有用性を評価した報告
(J Thromb Haemost. 2020;18:1398–1407.)

PREVENU trialに参加した患者群を後ろ向きにReview各入院患者VTEリスクスコアの有用性をValidationした.
・患者は40歳以上で, 内科病棟に2日間以上の入院した患者群.
・3ヶ月間フォローし, VTEリスクを評価
・重症患者
 入院48h以内に診断されたVTE
 抗凝固療法が行われている患者
 外科手術を施行した患者は除外
PREVENU trialは上記患者群において, ER医がVTE予防の介入を行うか, 通常のケアのみで入院させるかに割り付け比較したRCT.

これに参加した患者群14660例において, リスクスコアの有用性を評価.
・VTEリスクスコアは,
 Capriniスコア, Paduaスコア, IMPROVE trialのスコアの3つ
Paduaスコア4

 Capriniスコア3
 IMPROVEスコア2(中等度が2, 4は高リスク)

 がリスクありと判断


Studyの母集団


アウトカム
・3ヶ月間のフォローにて, 1.8%(263)が症候性のVTEを診断
 致命的なPE8(3.0%)
 48%(127)は他に原因のない突然死 possible fatal PE
 13%(33)は遠位DVT
・VTE発症までの期間は22[10-46]
・VTEを発症したうちの57%は抗凝固療法による予防あり
 (VTE発症しなかった群では46%で予防)

各スコアのROC, 抗凝固予防を行っていない患者群でも, 全体でも0.6-0.7程度でほぼ同等.
・「年齢 70歳以上」の単一因子と比較して, 変わらない

各リスクスコアの感度, 特異度, PPV, NPV

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非重症例の内科入院患者におけるVTEリスク評価は難しい. リスクスコアも特に秀でているものはなく, 高齢者という要素だけで十分になってしまう.
その高齢者の要素だけでもリスク評価としてはイマイチ.

内科入院患者でも予防するとなると, まだまだ患者を絞る方法が確立しないと難しい.