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2020年11月10日火曜日

抜管後の誤嚥リスクを評価する

 (Chest. 2020 Nov;158(5):1923-1933.)

気管挿管後では誤嚥リスクが上昇する.

抜管後はBSE(Bedside swallowing evaluation)を行うことが推奨されるが, Meta-analysisではBSEと軟性鏡を使用した嚥下評価(FEES: Flexible endoscopic evaluation)やVideofluoroscopic swallow studyの結果とは解離が生じることが指摘されている.

急性呼吸不全で48h以上挿管管理されていた患者群を対象とし, 抜管後にBSE, FEESを行い, 誤嚥リスクを評価.

・Gold standardFEES(Flexible endoscopic evaluation of swallowing)としBSE(Bedside swallowing evaluation)の有用性を評価し, さらに有用な項目を用いたDecision Treeを作成した.

急性呼吸不全で48h以上気管挿管され, ICU管理となった成人患者 248例において, 抜管後BSE, FEESを施行

 挿管管理時間は126h[72-206]

 BSEは抜管後25h[21-45]で施行されFEESBSE1h[0.5-2]に施行された.

・BSEで誤嚥無しと判断された例が64

 FEESで誤嚥無しと判断された例が143

 BSEで誤嚥ありと判断された例が149

 FEESで誤嚥ありと判断された例が70(33%[26.6-39.2])

BSEは感度は良好だが, 特異度は低い
 嚥下試験は液体を使用する方法が感度が良好

Decision Algorithm

・挿管管理の時間

・水飲み試験
・APACHE IIスコア
・声の質
・内科, 心疾患か他か

・上記の5項目がリスクと関連
 この方法により感度95%[90-98], 特異度67%[60-73]で誤嚥リスクを評価可能
・リスクがある症例でFEESを行えばよい.