EAST-AFNET 4: 診断されてから1年以内のAf患者を対称としたRCT(open, blinded-outcome assessment trial) (N Engl J Med. 2020 Oct 1;383(14):1305-1316.)
・患者は診断から12ヶ月以内のAf患者で, 以下を満たす患者
>75歳,
TIAやStroke既往がある患者,
以下の2項目以上を満たす患者を対象: >65歳, 女性, HF, HT, DM, 重度のCAD, CKD(GFR 15-59mL/min/1.73m2), LV肥大(拡張期中隔厚>15mm)
・上記を満たす2789例を, 早期リズムコントロール群 vs 通常の治療群に割り付け, 比較
・早期のリズムコントロール群: 抗不整脈薬またはアブレーション
通常の治療群: Afに関連する症状があるときのみリズムコントロール
・死亡リスクや, 心血管アウトカム, 薬剤副作用を比較した.
母集団
両群の治療選択
アウトカム
・心血管死亡リスク, Strokeリスクは有意に早期リズムコントロール群で良好.
心血管死亡 1.0 vs 1.3/100pt-y: NNT 333
Strokeリスク 0.6 vs 0.9/100pt-y: NNT 333
・全死亡リスクは両者で有意差なし
・心不全増悪による入院やACSによる入院は有意差無し
・洞調律が維持できているのはリズムコントロール群で82.1%, 通常の治療群で60.5%
・LVEFは早期リズムコントロール群で良好
・抗不整脈薬による重大な副作用は5年間で4.9% vs 1.4%と有意に早期リズムコントロール群で多い
-----------------------------
発症早期のAfではリズムコントロールの方が心血管予後の改善効果, 心機能の維持効果が期待できる. しかしながら, NNTは333程度と, 実感できるレベルとは言い難い.
薬剤や手技による合併症, 副作用も問題となる.
これだけで決めるのはやはり厳しく, さらに+αを考慮したいところではある