国内では厚生労働省の診断基準があり, 難病指定などでも必要ではあるが, 海外では診断基準はない.
Cincinnati大学のSarcoidosis clinicで, 7ヶ月間で組織診断で確定されたサルコイドーシス症例を前向きに評価.
(CHEST 2018; 154(5):1052-1060)
・同時期に同施設でサルコイドーシス以外の疾患を診断された患者群をControlとし, サルコイドーシスに関連する組織所見, 臨床症状・所見を評価.
・スコアはWASOG organ involvement criteriaで各臓器所見*をbiopsy positive, Highly probable, at least probable, possibleで分類し評価.
・さらに, Lofgren症候群, ALP上昇を加えた.
Lofgren症候群(肺門部LN腫大, 結節性紅斑 or 関節周囲炎)は, 生検所見陽性と同等と評価.
ALP≥3ULNで他に原因がない場合は肝臓のat least positiveと同等と評価
Derivation cohortより, 点数計算は
・Biopsy陽性 5点
・Highly probable 3点
・at least probable 2点
・Possible 0点 としたときに最も診断能が良好
臨床スコア: 生検無しでの評価.
生検スコア: 臨床スコア+生検所見
*WASOG Sarcoidosis Organ Assessment Instrument
(Sarcoidosis Vasc Diffuse Lung Dis 2014; 31: 19-27)
患者は980例を対象. このうち600例(サルコイドーシス450例)でスコアを作成し, 残りの380例(サルコイドーシス103例)でValidation.
・アジア人はほぼ無し
臨床スコア≥3点で感度89.8%, 特異度88.0%
生検スコア≥6点で感度99.3%, 特異度100% でサルコイドーシスを示唆
臨床スコアとサルコイドーシスのOR
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典型的な所見を1つでも認めれば可能性はかなり高いが, 確定診断には至らない.
複数部位で典型的な所見を認める, もしくは組織で非乾酪性肉芽腫が認められれば, ほぼ確定診断が可能という解釈となる.
他の疾患の除外も同様に重要なので, まあ実際いつもやっているのとあまり変わらないといえば変わらない.