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2016年9月21日水曜日

抗TNF-α阻害薬で効果不十分なRAで変更するなら, どのタイプのbDMARD?

JAMA. 2016;316(11):1172-1180. より

RA患者で, 抗TNF-α阻害薬を使用しても効果が不十分である300例を対象としたopen-label RCT.
・患者はACR1987のクライテリアを満たし, 骨融解(+), DAS28-ESR≥3.2を満たす群.
 効果不十分とは以下の1項目以上を認めることで定義;
  関節圧痛/腫脹の残存, 
  患者のGlobal assessmentにおいて活動性残存,
  炎症マーカーの上昇,
  NSAID/ステロイド依存状態, 
  DAS28-ESR≥3.2

上記患者群を, 非TNF-α阻害系のbDMARDに変更群 vs 他の抗TNF-α阻害薬へ変更群に割り付け, 52wk継続.
RAコントロールを比較した.
・300例中, 269例(89.7%)が投薬を完遂.
非TNF-α阻害系のbDMARDはabatacept, rituximab, tocilizumabなどが当てはまる.

母集団

アウトカム
・疾患活動性は非TNF-α阻害系bDMARD群のほうが有意に抑制される結果.


・HAQは両者で有意差はない.

重大な副作用の比較

・重大な副作用の頻度は11% vs 5%.
 有意差はないものの,非TNF-α阻害系bDMARD群のほうが多い傾向

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抗TNF-α阻害薬から変更する場合,
 他の抗TNF-α阻害薬への変更よりも, 非TNF-α阻害系のbDMARDへ変更したほうが,
 DAS28-ESRにおける寛解, 低活動性達成は2割ほど増加し, 寛解は1割ほど増加する.
 
 重大な副作用については有意差はないが, 非TNF-α阻害系のbDMARDのほうが多い可能性は残る.

 あとは費用の問題とか, 投与間隔の問題とか, その辺も考慮しつつ決める.]

参考:





bDMARD
投与量
主な副作用
禁忌
薬価
(年間費用)
インフリキシマブ
(
レミケード®)
ジェネリック製剤あり
3mg/kg 0, 2, 6週に静注
以後8週毎.
効果不十分では6週以後段階的に10mg/kgに増量可
頭痛, 貧血, 皮疹, 血圧変動, 肝障害, 関節痛, 感染症, 過敏症, 薬剤誘発性ループス
重篤な感染症, 活動性結核, マウス由来蛋白過敏症, 脱髄疾患, うっ血性心不全
100mg 89536
59814
(ジェネリック)
(131
万円, 88万円)
エタネルセプト
(
エンブレル®)
10-25mg皮下注 週2
25−50mg
皮下注 週1
日和見感染症, アレルギー, 血液障害, 間質性肺炎, 肝障害, 急性腎不全
敗血症, 重篤な感染症, 活動性結核, 脱髄疾患, うっ血性心不全
10mg 6472,
25mg
16000
50mg
31000
(82.9-162.5
万円)
アダリムマブ
(
ヒュミラ®)
40mg皮下注 2週毎
頭痛, 咳嗽, 下痢, 肝障害
感染症, 結核, 薬剤誘発性ループス 間質性肺炎
重篤な感染症, 活動性結核, 脱髄疾患, うっ血性心不全
20mg 33608
40mg 65144

(169.4
万円)
ゴリムマブ
(
シンポニー®)
MTX併用時
50-100mg
皮下注 4週毎
非併用時 100mg 4週毎
感染症, 高血圧, 便秘
肝障害, 間質性肺炎
重篤な感染症, 活動性結核, 脱髄疾患, うっ血性心不全
50mg 12.7万円
(164.6
万円)
セルトリズマブペゴル
(
シムジア®)
400mg皮下注 0, 2, 4
以後200mg2週毎
安定後は400mg4週毎
感染症, 高血圧, 便秘
肝障害, 間質性肺炎
感染症, 高血圧, 便秘
肝障害, 間質性肺炎, うっ血性心不全
200mg 63464
(165.1-184.1
万円)
トシリズマブ
(
アクテムラ®, IL-6阻害薬)
8mg/kg 静注 4週間毎
162mg
皮下注 2週毎
感染症,尿蛋白, 高脂血症,
血糖上昇, アナフィラキシー
重篤な感染症, 活動性結核
80mg 18592
200mg 45807

400mg 90611

162mg(
皮下注) 39000
(117.8
万円)
アバタセプト
(
オレンシア®, 細胞標的薬)
静注
体重 <60kg 500mg, 60-100kg 750mg, >100kg 1g静注を0, 2, 4, 以後4週毎
皮下注
上記静注後, 同日に125mgを皮下注, 以後週1回皮下注
間質性肺炎, 血球減少, 感染症, 関節痛, 味覚異常など
重篤な感染症
250mg 54995
(165.0
万円)