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2015年8月4日火曜日

内視鏡所見と胃癌発症のリスク

BMJ 2015;351:h3867 

スウェーデンのNational cohortより
上部内視鏡で腫瘍以外に胃粘膜生検を施行した405172例において, 粘膜所見とその後の胃癌リスクを評価.
 フォロー開始最初の2年間に発見された胃癌はカウントせず, その後発見された胃癌は1599例であった.
粘膜所見と胃癌発症リスク(/10万人年):
胃粘膜所見
噴門部胃癌
SIR
非噴門部胃癌
SIR
全胃癌
SIR
正常粘膜
3.9
1.0[0.7-1.5]
15.6
1.1[0.9-1.3]
19.5
1.0[0.9-1.3]
軽度の粘膜変化
5.2
1.0[0.3-2.3]
36.7
1.6[1.1-2.3]
41.9
1.5[1.1-2.0]
胃炎
8.2
1.3[1.1-1.6]
50.8
1.9[1.8-2.1]
59.0
1.8[1.7-1.9]
萎縮性胃炎
10.3
1.6[0.8-2.8]
90.0
3.0[2.5-3.7]
100.4
2.8[2.3-3.3]
腸上皮化生
17.6
2.3[1.2-4.0]
111.6
3.7[2.9-4.6]
129.2
3.4[2.7-4.2]
異形成
29.9
3.8[1.2-8.8]
232.9
7.1[5.1-9.8]
262.8
6.5[4.7-8.7]
細胞変性/浸潤/核型異常
-
-
65.4
2.5[0.7-6.3]
65.4
2.0[0.5-5.1]
反応性胃障害
2.8
0.8[0.1-4.3]
8.4
0.7[0.1-2.0]
11.2
0.7[0.2-1.8]
異形 Atypia
20.7
2.7[1.3-4.9]
157.5
4.5[3.6-5.7]
178.2
4.2[3.3-5.2]
肥厚, 肥大性胃炎
8.0
1.4[0.6-2.8]
51.2
2.1[1.5-2.8]
59.2
1.9[1.4-2.5]
化生(腸上皮化生以外)
7.3
1.0[0.4-2.1]
117.7
3.6[2.9-4.3]
125.0
3.1[2.5-3.7]
ポリープ
6.9
1.2[0.5-2.5]
51.3
2.1[1.6-2.8]
58.2
1.9[1.5-2.5]
良性腫瘍
10.0
1.6[0.2-5.9]
80.0
3.0[1.7-4.8]
90.0
2.7[1.6-4.3]

粘膜所見別の胃癌リスク
粘膜所見の変化と胃癌のリスク

胃癌リスクをわかりやすくすると
毎年
 正常粘膜患者では 5000人に1人
 胃炎患者では1700人に1人
 萎縮性胃炎患者では1000人に1人
 腸上皮化生患者では775人に1人
 異型性患者では380人に1人の頻度で胃癌が発症するリスクがある.

上部内視鏡のフォロー期間をどうすべきかって、迷いますよね。