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2013年10月16日水曜日

重症患者では10日間で20%の筋萎縮が生じ得る


JAMA. 2013;310(15):1591-1600. 

ICU管理で, 48h以上の人工呼吸器管理を行い, 7d以上の集中治療管理を行い生存した63例のProspective study.
 上記患者群をDay 1,3,7,10で筋肉量, 筋蛋白代謝をフォロー.
 筋肉量は大腿直筋のエコー断面積, 外側広筋の筋生検(DNA-protein比) で評価.
 筋蛋白代謝は1,2-13C2ロイシンをDay1,7に投与し, その前後150minに筋生検を行い, 筋内に含有されるロイシンを評価.
 これは健常人8名のボランティアのデータと比較された (平均年齢70.7歳[67.7-73.7], BMI 26.2[24.3-28.2])

母集団;
 患者群の平均年齢54.7歳[50.0-59.6], 男性例59%, 平均APATCHE II 23.5[21.9-25.2]

アウトカム; 筋萎縮

筋断面積はDay 10で18%も減少している.
エコーでの筋断面積の減少と同程度, もしくはそれ以上に, 筋生検での筋線維断面積減少, DNA-蛋白比の減少も認められている.

筋萎縮は多臓器不全例の方がより高度となる.
単一臓器不全例では軽度のことが多い

アウトカム; 筋代謝

筋代謝はDay 1では空腹時の健常人と同等レベル, Day 7では食後の健常人と同等レベルの筋代謝.
食事状態で関係はなく, 重症患者の初期では空腹時の筋代謝レベルまで落ちる可能性が示唆される.

重症患者での筋萎縮に対しては今までも様々なことが言われていたが,
Prospective studyでデータが出たのは貴重です。