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2013年10月15日火曜日

溶連菌性扁桃炎患者への抗生剤投与の判断基準


BMJ 2013;347:f5806

PRISM trial; 溶連菌性扁桃炎疑い患者を3群に分けて評価したRCT
①改善が無い場合に抗生剤を開始する群* (Control)
②溶連菌スコア** を用いて適応を決定する群
③スコア + 迅速検査***を用いて適応を決定する群.

* 患者には抗生剤を処方しておき, 3-5dたっても症状が改善し始めない場合に使用するように指導する群.
**スコアは当初はCentor scoreを用いていた(n=1129)が, その後FeverPAINが発表されてからはそちらに変更(n=631). 
 FeverPAIN群ではScore 0-1ではAbx無し, ≥4ptではすぐに開始, 2-3ptでは①と同じマネージメント.
***FeverPAIN 0-1では検査もAbxも無し. 2ptでは①と同じマネージメント. ≥3ptでは迅速検査を行い, 陰性ならばAbx無し, 陽性ならばAbx開始.

アウトカムは臨床症状, 症状の期間, Abx使用率等.
 割り付け後2-4日後の咽頭痛, 嚥下困難を評価.

Centor scoreをもちいたN=1129群では全て3群で有意差無し. 
FeverPAINを用いたN=631の群では, ②群(スコアを用いた判断群)において, 抗生剤使用頻度, 症状の程度, 持続期間の改善が認められる.


スコアを用いた群で最も抗生剤使用頻度が低く, 臨床症状の改善も早いという結果.
迅速検査は必須ではなく, ①のように無駄な抗生剤処方も必要は無し.

抗生剤くれ〜〜〜という依存状態の患者には①のマネージメントは参考になりますね。
(補足) FeverPAIN
24h以上の発熱(Fever), Purulence(化膿), Attend rapidly(発症3d以内), Inflamed tonsils, No cough/coryza(鼻炎症状)を各1点とし、最大5点.

上記のAUCは0.71-0.74, 一方でCentor criteriaは0.65-0.72と, FeverPAINの方がより診断精度はやや高い.
日本の様な医療アクセスがかなり容易な環境では発症3日以内の受診という項目は満たし易いため、その項目を 重篤そうな症状(かなりしんどそう)、というのに置き換えてもよいかもしれない。