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2013年9月25日水曜日

くも膜下出血の予測ルール


BMJ 2010;341:c5204
1999名の頭痛患者のProspective cohort
内130名がSAHと診断.
“今までで最悪の頭痛” と訴えたのは1546名(78.5%).
SAH患者の頭痛の特徴から, 3つのPrediction ruleを作成.
1つ以上に当てはまればHigh Risk.

くも膜下出血 vs 非くも膜下出血で比較すると,
病歴より
SAH(-) 1869
SAH(+) 130
P
年齢
42.6
54.4
<0.001
女性
60.6%
56.9%
0.41
Onset-peakの時間
9.2min
3.4min
<0.002
Peak時のPain scale
8.6
9.3
<0.001
運動時の発症
10.7%
23.1%
<0.001
性交渉時の発症
6.0%
5.5%
0.79
睡眠時に頭痛で起床
19.3%
10.8%
0.016
最悪の頭痛
77.5%
93.1%
<0.001
意識障害(+)
4.5%
16.9%
<0.001
意識障害の目撃
2.5%
11.5%
<0.001
安静を必要とする頭痛
24.0%
43.9%
<0.001
頸部痛, 項部硬直
30.9%
71.1%
<0.001
嘔吐
26.3%
58.6%
<0.001
救急車使用
16.7%
56.9%
<0.001
救急に転送
7.9%
18.5%
<0.001

所見より
SAH(-) 1869
SAH(+) 130
P
項部硬直
5.2%
30.4%
<0.001
平均体温
36.4
36.3
0.39
平均HR
80.2
79.0
0.38
平均SBP
141
159
<0.001
平均DBP
81
88
<0.001



これを元に3つの予測ルールを作成;
Rule 1
Rule 2
Rule 3
年齢>40yr
救急車で来院
救急車で来院
頸部痛, 項部硬直あり
年齢>45yr
sBP>160mmHg
意識障害の目撃あり
1回以上の嘔吐
頸部痛, 項部硬直あり
運動時に発症
dBP>100mmHg
年齢 45-55yr

このルールのSAHに対する感度, 特異度は
High RiskSAH
Sn(%)
Sp(%)
Rule 1
100[97.1-100]
28.4[26.4-30.4]
Rule 2
100[97.1-100]
36.5[34.4-38.8]
Rule 3
100[97.1-100]
38.8[36.7-41.1]


 と、感度100%と除外に有効と言える.

このRuleのValidationが JAMA. 2013;310(12):1248-1255で発表.
1時間以内にピークを迎えた頭痛で, 他の神経所見(-)を満たす2131名のProspective cohort (@カナダ)
 過去6mで3回以上の同様の頭痛がある場合は除外.
 上記のうちSAHは6.2%であった.
3つのルールの感度, 特異度は以下の通り.

感度はどれも9割後半, 特異性は2-3割. 除外には有用なRuleと言える.
Thunderclap headacheと項部硬直を加えたOttawa SAHでは感度100%.

高齢者, 救急車使用者はそれだけで引っかかる.
救急車利用に関しては病院, 国より特異度は変化するだろう.
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日本国内からもPrediction ruleのstudyはあり, 日救急医会誌 . 2011; 22: 305-11
国立国際病院での研究.
 2001-2006年に頭痛を主訴に搬送された症例356例(SAH88例)でScoreを作成し, 2007-2009年に搬送された同様の患者群でValidation
 外傷, 酩酊, 昏睡, 転帰不明は除外.
 最終的に血糖, BP, K, WBCがScoreとして有用と判断.
 Score 0ならばSAHは除外可能.


あまりこのルールは使ったこと無いので何とも言えませんが...