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2013年6月13日木曜日

MTXで効果不十分なRAに対する DMARD3剤療法 vs 生物製剤導入


Therapies for Active Rheumatoid Arthritis after Methotrexate Failure. NEJM 2013
オンライン先行発表より


RACAT trial; 
MTX単剤治療でも活動性が高いRA患者353名を対象としたDB, noninferiority trial.
DMARD 3剤治療群(MTX, Sulfasalazine, Hydroxychloroquine)
 vs. 生物製剤使用群(MTX, Etanercept) に割つけ, 48wk継続.(DB, noninferiority trial)

 治療開始後24wkで目的の治療効果が得られない場合*, Blindした状態でもう一方の治療へ変更するプロトコール. (*DAS28が>1.2低下しない場合)
 
 患者群はMTX 15-25mg/wkを使用しても, DAS28が≥4.4となっている患者を対象.

各薬剤の投与量は,
Sulfasalazine
1g/d 6wk 2g/d
Hydroxychloroquine
400mg/d
Etanercept
50mg/wk
また, PSLは10mg/dまで使用可. NSAIDも併用可能.

母集団;

アウトカム;
 48wk時点でのDAS28値は3剤療法も生物製剤使用群も同等. (3剤療法群 -2.1 vs 生物製剤群 -2.3, P=0.26)(A)
 両群で27%が24wk時点で効果不十分と判断され, 治療プロトコールを変更. 変更率は両者で同等.
 変更後はその治療で効果が認められ,  最終的には同等の反応を示した.(B)

他のアウトカムと副作用

MTX単独で効果不十分の場合,
 DMARD 3剤療法も, 生物製剤変更例も, 同等の効果が見込める.
 双方とも, 効果が見込めない症例は, 3剤療法 ⇒ 生物製剤, 生物製剤 ⇒ 3剤療法へ変更することで, さらなる効果が見込める.


 24wk時点でのACR70はEtanercept群の方が良好であり, 生物製剤の方がより早く症状を緩和できるが, 48wk時点では有意差無し.

費用の観点から, 通常3剤療法→生物製剤に移行することが多く,
それは理にかなった方法と言えそう.