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2022年10月10日月曜日

痛風既往のない虚血性心疾患患者に対するアロプリノールは予後を改善させない

尿酸降下薬の適応についてはいろいろあるものの,

基本的には痛風を繰り返す症例や尿酸結石, 慢性の痛風関節炎で適応となる.

CKDや無症候性の尿酸降下薬は国内のガイドラインでは言及はされているが, それも年々推奨は低下している, のかそのままなのか...

参考 : CKDと尿酸降下薬


この度, 痛風発作の既往がない, 虚血性心疾患患者に対するアロプリノールのRCTが発表

(Lancet 2022; 400: 1195–205)

ALL-HEART: 60歳以上の虚血性心疾患既往がある患者で, 痛風の既往がない患者群を対象とし, アロプリノール群と通常治療群に割り付け比較した, 5000人規模のOpen-label RCT.

・中等度〜重度の腎障害(eGFR<60mL/min/1.73m2), 中等度以上のHF, 著明な肝疾患, 薬剤による重度薬疹の既往, 5年以内の悪性腫瘍症例は除外

・途中で, 中等度の腎障害(eGFR 30-59)症例も組み込まれるように変更

・アロプリノールは600mg/d(腎障害例では最大300mg/d)

・アウトカムは心血管イベントリスクを比較した.


母集団

・母集団のUA値は 5.9±1.4mg/dL (mmol/L → 1/0.059 mg/dL)


アウトカム



・4.8±1.5年間のフォロー

・虚血性心疾患, 心血管イベント全体で
両者で有意差は認めず.

基礎UA値で階層分けしたSub解析でも
アウトカムに有意差は認めず