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2022年4月19日火曜日

膠原病+潜在性結核の症例. RFP使用時の注意点は?

膠原病でステロイド, 免疫抑制を行う/行っている患者で, 潜在性結核が認められた.

活動性結核の発症リスクもあり, 治療が考慮される.

潜在性結核の治療はINH 9ヶ月やRFP 4ヶ月がある. 後者のほうが肝障害など副作用リスクが少ないことが知られているが, 膠原病においてはRFPがステロイドの代謝やカルシニューリン阻害薬の代謝に影響することを知っておかねばならない.

潜在性結核患者を対象としたINHやRFPのStudyでも, 基本的に膠原病や免疫抑制をおこなっている患者は除外されていることが多い.

特にステロイドであるが, どの程度影響するものか?


RFPによりどの程度 GCは影響を受けるのか?

ヒドロキシコルチゾンは半減期 35%短縮, Sytemic clearanceを35%増加

(J Clin Endocrinol Metab 59: 1204, 1984)

7例において, RFP開始前〜開始後3wkにおけるPSLの代謝を評価.
 

 半減期は45±8.1%低下. 

 Total body clearanceは91±26%増加
 

 AUC(Area under the time-concentration curve)は,
 Total PSLで48±7.3%減少. Free PSLは57±9.8%減少する

(Acta Med Scand 1983; 213: 339-43.)


RFP使用中で, 且つPSLを投与している患者(SLE, ネフローゼ) 3例と, 
RFP非使用のネフローゼ患者(1), 健常ボランティア(2)の3名において,
 RFP使用とPSL代謝の関連を評価

 前者では, RFP使用中のPSL動態と, 使用終了後の動態を比較.
後者では, RFP導入前と後の動態を比較

 ClearanceやAUCは, RFP開始2wk程度で1.5-2倍変化し, その後一定となる.
RFP終了後も2wk程度で元に戻る.

 また, 変化の半分は最初の5日間で生じる
= 早期にPSLの代謝に影響する.

(Eur J Clin Pharmacol 1993;45:287-289)


Reviewでは, Glucocorticoidは,
RFP開始において大凡2倍量程度に増量することを推奨.

・患者の状態や病状に合わせて調節することが大事.

・副腎不全ではクリーゼの誘発に注意.
自己免疫性疾患やステロイド依存の喘息では再燃に注意する.

・ちなみにカルシニューリン阻害薬は, 1日3回投与に増やし, 
薬物動態の評価を行いつつ調節することが推奨されている
(これらにどの程度影響するかは不明確な部分が多い)

(Drug Safety 2002; 25 (2): 111-133)