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2020年10月7日水曜日

COVID-19肺炎に対するヒドロコルチゾン

 CAPE COVID: COVID-19肺炎でICU管理となった患者群を対象とし, Hydrocortisone vs Placeboに割り付け, 治療失敗リスクを比較したDB-RCT@フランス

(JAMA. 2020;324(13):1298-1306. doi:10.1001/jama.2020.16761 )

・患者はPCRで陽性, または画像所見にてCOVID-19肺炎が強く疑われる成人症例で, 以下の4項目中1つ以上を満たす重症例を対象

> 人工呼吸器管理(PEEP≥5cmH2O)を必要とする

> FiO2 ≥0.5の高流量O2を使用し, P/F<300

> リザーバーマスクを使用している場合でP/F<300が予測される

> PSI>130

鎮静より低血圧を生じ, 昇圧薬を使用している患者は許容

Hydrocortisone 200mg/dで持続投与を行い, 7日間継続

 その後は100mg/d4日間, 50mg/d3日間. 合計14日間

Day 4に呼吸状態が改善すれば, 200mg/d4, 100mg/d2, 50mg/d2日間の短期投与レジメを使用する

母集団

アウトカム

・21日における治療失敗リスクは有意差なし

 ただし, 人工呼吸器使用率は減る傾向がある.

・有意差はないが死亡リスクも低下する傾向


REMAP-CAP: COVID-19感染症でICU管理となった患者群をランダムで1つ以上の治療薬に割り付けたRCT. 抗ウイルス薬, ステロイド, 免疫グロブリンなど.

・このうち, Hydrocortisoneに割り付けられた患者群を評価(JAMA. 2020;324(13):1317-1329. doi:10.1001/jama.2020.17022 )

患者はCOVID-19感染症で, 呼吸サポート, 循環サポートのため, ICU管理となった成人症例

 呼吸サポートの定義: 侵襲/非侵襲的人工呼吸器管理, High flow(30L/分以上)の酸素投与.

 循環サポートの定義: 強心薬, 昇圧薬の経静脈投与

Hydrocortisoneは固定量群, Shock離脱までの投与群, 非投与群で比較

 固定量: 50mg q6h7

 Shock離脱まで: 上記をShock離脱, または最大28

母集団


アウトカム

Hydrocortisoneの投与により, Organ support-free daysが改善する可能性はそれぞれ93%, 80%ある


初期に挿管管理されていない患者での評価ではHydrocortisone使用により99%の確率でさらに増悪する(挿管, ECMO, 死亡)リスクを減らすことが可能(固定投与群).