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2020年9月13日日曜日

COVID-19に対するメチルプレドニゾロンのRCT

 こちらも参照: デキサメサゾンはCOVID-19における死亡率を低下させる

Metcovid: ≥18歳の臨床的, 画像的にCOVID-19が疑われた患者群を対象としたDB-RCT(phase 2b) @ブラジル (Clin Infect Dis. 2020 Aug 12;ciaa1177. doi: 10.1093/cid/ciaa1177. )

・患者は臨床的/画像的にCOVID-19が疑われた時点で導入された(治療の遅れを回避するために確定検査結果が出る前に導入).

 さらにSpO2≤94%(RA)またはO2投与, 侵襲性人工呼吸器管理症例を対象とした.

・mPSLアレルギーやHIV/AIDS患者, 慢性的なステロイドユーザー, 免疫抑制剤使用例, 妊婦/授乳婦, 非代償性肝硬変, 慢性腎不全患者は除外.

患者はmPSL 0.5mg/kg12, 5日間継続群 vs Placebo群に割り付け, 28日間の死亡リスクを比較.

・ARDSを満たす患者ではCTRX, AZT or CAMを併用

母集団


・前述のデキサメサゾンを評価したRECOVERYと対比させると,

 metCOVIDではより若年者(66-67歳 vs 55歳), 挿管患者が多い(15-16% vs 34%), 発症〜Study導入までが長い(8-9日 vs 13日)といった違いがある.

・SARS-CoV-2 PCR陽性はおよそ8割(RECOVERYでは9割程度と同等か)


アウトカム


28日死亡リスクは有意差なし

 数日後のPCR陽性率や人工呼吸器使用リスクなども同等


Sub解析では, 60歳以上の症例において,  mPSL投与による死亡リスク低下効果が期待できる


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RECOVERYでは酸素投与が必要となるCOVID-19患者ではデキサメサゾン 6mg/dの投与は酸素投与, 呼吸器管理必要例において, 人工呼吸器使用リスクや死亡リスクを低下させる結果であったが, 今回のmetCOVIDではmPSLによる死亡リスクの改善効果は証明できなかった.

60歳以上の症例では死亡リスク改善効果が期待できる.

metCOVIDとRECOVERYを比べると, RECOVERYはやや高齢者が多いが, 全体的な重症度はmetCOVIDよりも低く, 死亡率も全体では2-3割程度. 呼吸器管理群では4割, 酸素投与群では2-3割(Control群での死亡率)

metCOVIDでは全体の死亡率が38%と高い. また発症〜導入までおおよそ2wkという点も長い(RECOVERYでは1wk強程度). この辺はお国柄, 医療アクセスの問題もあるかもしれない.

ステロイドに可能性は期待したいが, どの症例で特に効果が期待できるか, もう少し情報を待ちたい