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2020年9月14日月曜日

菊池病のClinical score

菊池病についてはこちらも参照 

Validationされてないので, 適応には注意! ですが, 参考になると思ったので紹介

Intern Med J2020 Sep 8. doi: 10.1111/imj.15042. Online ahead of print. A clinical scoring approach for detection of histiocytic necrotizing lymphadenitis in adults


その前に, ちょうど最近 発熱外来からこのような相談がありました.

20台の男性で, 1週間前から40度の発熱が持続. 特に局所症状はなく倦怠感程度.

右頚部リンパ節は腫大. 触知する.

血液検査ではWBC 3100(Neu 50.6%, Ly37.5%), CRP 0.56mg/dL, LDH 470 IU/L.

 他の血球現象や肝胆道系酵素上昇など異常所見は認めず.


パッと聞いた感じでは菊池病っぽいなぁ、と思いました.

そんな状況で上記論文を見つけたのでチェック.


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18歳以上, リンパ節腫大があり, リンパ節生検を施行, 組織より診断が為された患者1194例を後ろ向きに解析

・このうち, 32例でHNL(histiocytic necrotizing lymphoadenitis, 菊池病)を診断.

・HNLを示唆する所見, 検査を評価, clinical scoreを作成した.

HNL, HNL群の比較では


 ・HNL群ではより若年: 29±11 vs 57±16

 ・発熱を認める患者, 頚部リンパ節腫大を認める患者WBCが低値, 好中球が低めとなる.

 ・LDHは上昇する例が多いが, 値は300~500程度.


HNLに関連する因子よりスコアを作成

・発熱 3

・頚部リンパ節腫大 2

WBC低下(<4000/µL) 2

・好中球<50% 1

LDH>300 U/L 2


スコアカットオフ 4点以上で,  感度90%, 特異度87%NHLを示唆



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冒頭の症例で計算すると, 9点. 好中球以外を満たす. 好中球も50%と惜しいライン

年齢も20代で菊池病らしいと言える.

ただやはり悪性リンパ腫は心配であるが, 経過からもまずは対象療法でよさそうではある.

このClinical scoreはValidationが未なので、適応には注意したいが, 注目するポイントとしては有用と思う