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2020年7月31日金曜日

市中肺炎における喀痰グラム染色の有用性のMeta

(Clin Infect Dis. 2020 Jul 27;71(3):499-513.)より

市中肺炎における喀痰Gram染色の有用性を評価したMeta
・24 studies, N=4533例でMeta-analysisを施行
・前向きStudy15 Studies, 後ろ向きが4, 残りは記載無し
Gram染色所見と培養検査結果の予測能を評価.
良検体は白血球 ≥25/LPF, 上皮細胞<10/LPFで定義

アウトカム
・良検体の場合

 肺炎球菌に対する喀痰グラム染色の診断能は; 
  感度 69%[56-80], 特異度 91%[83-96], 
  LR+ 7.6[4.3-15.1], LR- 0.34[0.24-0.47]

 インフルエンザ桿菌に対する診断能は
  感度 76%[60-87], 特異度 97%[91-99]
  LR+ 25.7[8.7-123.3], LR- 0.25[0.14-0.41]

原因菌を絞らず検討した報告では,
・喀痰Gram染色は全市中肺炎(喀痰喀出の有無, 検体の質を問わない)の27%[13-48]で起因菌推定に役立つ.
喀痰喀出ができた患者群では36%[22-53]
・さらに良検体が採取できた患者群では73%[26-96]

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市中肺炎において, 良好な喀痰を採取することは原因菌の推定や抗菌薬選択に役立つと言える. 

喀痰の採取, プレパラートへの塗布, 鏡検の方法, センス次第で感度や特異度は各個人で異なるのがグラム染色.

こればっかりは近道はなく, 上手い技師さんや医師から直接学ぶしかないと思う.
そういう研修医を経ていてよかったな、とおもうものの一つです.