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2019年10月3日木曜日

HIGH-WEAN: 抜管失敗高リスク群では抜管後NIVを使用する方が良い

(JAMA. doi:10.1001/jama.2019.14901 )

抜管後, 再挿管のリスクが高い場合はNIVやNasal High flowでつなぐマネージメントが一般的であるが, どちらが良いのかを比較したRCTがJAMAより発表.

HIGH-WEAN: 抜管失敗の高リスク群を対象とし抜管後High-flow nasal O2のみで管理する群と上記+NIVで管理する群に割り付け比較したRCT.
・患者は24h以上ICUで挿管管理され, SBTで抜管が可能と判断された群.
 さらに抜管失敗の高リスク群*を対象
 *>65, または慢性心疾患(EF<45%, 心原性肺水腫既往, 虚血性心疾患, 永続性のAf), 慢性肺疾患(COPD, 肥満性低換気, 拘束性肺障害)の既往あり.
除外項目: 長期間のNIV治療歴, 自宅でのCPAP使用歴, 神経筋疾患, 外傷性脳挫傷による挿管, 事故抜管症例, DNAR

・High-flow nasal O2群では, 流量50L/, FiO2SpO2 ≥92%を維持するように調節し, 48h継続.
・NIV群では, PEEP 5-10cmH2O, PS5cmH2OVT 6-8mL/kgとなるように調節, FiO2SpO2≥92%を維持するように設定. 抜管後4時間以上持続, 24h12h以上行い, それを48h継続.

母集団

アウトカム
7日間における再挿管リスクは有意にNIV群で低い.
抜管後の呼吸不全も有意にNIV群で低下する


・特に高CO2血症を伴う症例ではNIVの利点が大きい.

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抜管後, 心配が強い場合はNasal-High flowよりもNIVの方を選択すべき.

JAMA. 2016;316(15):1565-1574. の論文ではNasal-High flowはNIVに非劣性で, NIVでは中断が必要な合併症が多い結果でした.
うまくNIVが使用できればそちらの方が良いのでしょう.

参考: (JAMA. 2016;316(15):1565-1574.)
スペインのICUにおいて, 12h以上呼吸器管理を行い, 抜管可能と判断された再挿管リスクが高い患者群を対象としたRCT.
・抜管後, 通常のHigh-Flow Nasal Cannulaを使用した酸素投与群 
 vs NIV群に割り付け, 24h継続.
 72h以内の再挿管率, 呼吸不全リスクを比較した非劣性試験.
再挿管リスクが高いとは,
 >65, 抜管時APACHE II>12(抜管時), BMI >30, 喀痰管理が不良(咳嗽が困難, 8h3回以上の吸痰), weaningが順調ではない, 気道開存性の問題がある患者, 合併症が2つ以上, 心不全により挿管した症例, 中等症~重症のCOPDの患者, 長期間(>7)の挿管患者で定義.
除外項目は, DNAR, 気管切開, SBTで高CO2血症となった患者, 事故抜管, 自己抜管患者.

High-flow oxygenは抜管後すぐに開始
・初期設定は10L/minとし, 患者が不快に感じるまで5L/minずつ増量.
 温度設定は37度とし, 熱く感じない程度に調節
 SpO2の目標値は>92%.
 24h後には終了し, 通常の酸素投与へ移行する.

NIVFull face maskを用いて開始
PEEP, IPAPは呼吸回数25/min, SpO2 >92%, pH 7.35を目標に調節
 FiO2SpO2 >92%を維持するように調節する.

アウトカム

・ 再挿管リスクはHigh-flowは非劣性.
抜管後呼吸不全はHigh-flowで少ない結果
・NIVは継続できない患者が42%と多く, それにより抜管後呼吸不全リスクが上昇する可能性がある.