インフルシーズンにおけるERでのN95マスクの着用は, 医療マスクと比較して感染リスクを低下させない, というRCTが2009年にでている(JAMA 2009;302:1865-71)
今現在, インフルを予防するために外来でN95マスクをつけている施設は無いと思われる(自分の知る限りは)が, 新たなCluster-RCTが発表
(JAMA. 2019;322(9):824-833. )
ResPECT: 多施設の外来におけるCluster-RCT.
ウイルス性呼吸器感染症がピークとなる時期において, 医療従事者がN95マスクを使用する群, 通常のマスクを使用する群に割り付け, 上気道感染症, インフルエンザ感染症リスクを比較した.
・対象者は成人の施設勤務者で, 普段患者の1.83m以内に近く立場の者.
フルタイム勤務で, 仕事時間の75%以上をその施設で過ごす者.
・2011-2015年の間に評価され, 各年N95マスク, 医療マスク群に割り付けされる.
・N95マスクは189施設, 1993名,
通常のマスクは191施設, 2058名で評価.
・検査で証明されたインフルエンザ感染症, 呼吸器感染症リスクを両群で比較した.
・呼吸器感染症の定義は, 1つ以上の所見(sign)か2つ以上の症状(symptom)が新規に出現することで定義
母集団
アウトカム
・インフルエンザ感染症, 呼吸器感染症リスクは両群で有意差なし.
---------------------------
N95の使用はウイルス性呼吸器感染症感染リスクを軽減しない.
インフルシーズンや冬の呼吸器感染症増加シーズンでの医療者の使用は推奨されるものではない.
というか, 普通使ってませんよね? ですよね?