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2018年12月5日水曜日

抗凝固療法使用患者におけるPPI併用の意義

(JAMA. 2018;320(21):2221-2230. )

US Medicare beneficiaryのデータを用いた後ろ向き解析
2011-2015年にApixaban, Dabigatran, Rivaroxaban, Warfarinを使用開始した30歳以上の患者で, PPI併用の有無と上部消化管出血リスクの関連を比較.
・新規に抗凝固薬を開始した症例は1643123, 1713183.
 このうち74.9%が心房細動による適応.
・アウトカムは上部消化管出血による入院.


アウトカム
抗凝固薬別の上部消化管入院頻度
・薬剤別の評価では, Rivaroxabanでリスクが高い.

PPI併用の有無と上部消化管出血入院頻度
PPI併用群の方がリスクは低いがその差はあっても50/10000pt-y程度.(200例に1例減少)

上部消化管出血リスク別のPPI併用, 非併用群の比較
・上部消化管出血リスクはこのコホートにおける上部消化管出血入院に関連する因子をポアゾン回帰分析を用いて評価したもの.
 0-19点で評価し, 0点は低リスク(5%), 19点は高リスク(5%)

・上部消化管リスクが上昇するほど, PPI併用による上部消化管予防効果は良好となる.
 PPIにより有意に上部消化管出血リスクが低下するのは, 2点以上(=下位10%を除く全例)となるが, その予防効果は微々たるもの
 NNTが100程度となるのは18-19点(リスク上位10%).

リスクスコア別, 薬剤別のPPIによる上部消化管出血予防効果

参考: リスク評価に影響している因子
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抗凝固薬使用中の患者ではPPIが併用されていることが多いが, 
PPI併用による上部消化管リスク軽減効果は患者のリスクに応じて大きく異なる.

リスク評価の研究が進むとより適応がはっきりしてくるかもしれない.
PPIを削ろうと考えるときは参考にしたい。