疾患
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IgG4上昇例(%)
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疾患
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IgG4上昇例(%)
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Sjögren症候群
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7.7%
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好酸球増多症
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12.5%
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膵癌
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5.2%
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間質性肺炎
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33.3%
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SLE
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13.9%
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Behcet病
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10%
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関節リウマチ
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14.5%
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EGPA
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71.4%
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胆管癌
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6.2%
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喘息
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14.3%
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慢性膵炎
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4.4%
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炎症性筋症
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16.7%
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全身性硬化症
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6.8%
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抗リン脂質抗体症候群
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20%
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肝硬変
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9.1%
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MCTD
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0
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慢性肝炎
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4.8%
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MPA
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20%
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Castleman病
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43.7%
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健常人
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1.3%
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他に国内から
札幌医大, 手稲, JR札幌病院におけるStudy
(Mod Rheumatol (2012) 22:419–425)
・IgG4-RD患者と, 自己免疫疾患患者のIgG4値を評価.(Mikulicz’s disease 66, Kuttner’s tumor 17, dacryoadenitis 11, AIP 8)
・CSS, APS, RA, PM/DM, MCD, 好酸球性疾患, 肝炎, 肝硬変ではIgG4が高値となるので注意.
primary Sjogren syndrome(pSS) 102例, SSc 102例, SLE 100例, PBC 59例, 健常人 40例における評価では,
(Medicine 94(2):e387)
・IgG4>135mg/dLとなったのは
pSSで3%, SScで7%, SLE 11%, PBC 3%, 健常人では5%
見方を変えて,
IgGのサブクラスがどれか単一で上昇を認めた552例のReview
(Seminars in Arthritis and Rheumatism 47 (2017) 276–280 )
・IgG4は22.1%で上昇
・IgG4上昇例は自己免疫性膵炎, アスピリン誘発性呼吸器疾患, Celiac, 鼻ポリープ, 好酸球増多に関連する.
と, 色々な疾患でIgG4の上昇は認められる.
特に好酸球上昇に関連しているような印象.
最近喘息とIgG4上昇の関連を評価した報告が出ているので紹介
2006-2015年に難治性喘息と判断された患者群123例において, 血清IgG4を評価.
(Respiratory Medicine 112 (2016) 39-44 )
・このうち25例でIgG4/IgG >10%を満たし, 非上昇例98例と比較
・IgG4上昇群では好酸球増多も多い
・FeNO>100ppbも有意に多い(気道炎症のマーカー)
喘息のPhenotypeとIgG4
・Non-atpic, non-eosinophilicではIgG4陽性例はいない
・EGPAを満たす場合やEo上昇を伴う喘息ではIgG4の関連があるかも
IgG4関連疾患における好酸球増多の合併は?
MGHにおける病理で診断されたIgG4-RD 70例の解析
(Allergy 2014; 69: 269–272. )
・IgG4-RD診断時のIgE, 好酸球数を評価.
・アトピー性皮膚炎の既往は22/70(31%)で認められた.
・IgE上昇は35%. 平均値523IU/mL[範囲129-1869]
末梢血好酸球増多は27%. 平均1062/µL[範囲600-2000]
・アトピー性皮膚炎合併例の方がEoやIgEは高い
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IgG4関連疾患以外にIgG4の上昇を認めるものは多数あり,
特に好酸球増多との関連はありそうである
EGPAや難治性喘息で好酸球増多を伴うタイプ, 好酸球増多症ではIgG4も高値となりやすく
さらにIgG4関連疾患患者でも好酸球増多やIgE増多を伴うことも多い.
IgG4-RD自体新しい疾患概念であり, 今後さらに分類化される可能性もあるが,
現時点では、IgG4と好酸球増多・アレルギー疾患を関連づけて考えておくとよいだろう