「これって自己炎症性疾患?」と思ったら
国立国際医療研究センター病院で不定愁訴外来や不明熱外来をされておられた國松淳和先生(現 南多摩病院)の著書
自己炎症性疾患外来もやっておられ, 総合診療医としての特殊性, その長所の伸ばし方, 生かし方は遠く京都にいながら注目しておりました.
最近御本人とお会いし, 無事にFBでも友達となることに成功しました♪.
そんな國松先生が書いた自己炎症性疾患の本!
これは注目していました。
献本いただかなくても買うつもりでしたので, ありがたかったです.
個人的にはFMF, CRO/CRMO, SLE+FMFを診療した経験があります. 最近Schnitzler症候群疑いを詰めています. 自己炎症か, と疑いつつフォローしている患者さんもおり, 一般総合診療/内科医としてはやはり重要な分野と思っています.
この本は類書がまずありません!. とてもよくまとまっており, まさに
「自己炎症性疾患ってなんだろうか.」
「今まで一般内科外来やちょっと膠原病をかじってきたものの, 自己炎症性疾患にも注目しないといけない」というビギナーからある程度経験がある医師にはうってつけな本と思います.
(そもそも希少疾患ですから、経験が豊富!と胸はって言える医師はそんないないはずです)
(そもそも希少疾患ですから、経験が豊富!と胸はって言える医師はそんないないはずです)
ただの疾患解説本ではなく, 実臨床に則して, どのような病歴やプレゼンテーションで想起すべきか, 疑うかを明確に記載してくれており, 読みながら「あの症例って・・・実はそうだったのかも・・・」と反省する医師もいるのではないでしょうか(実は僕も・・・読みながらそんな感情がいくつかありました・・・1-2例程度だったのがまだ救いでしょうか)
個人的には反復する「虫垂炎」「胆嚢炎」様の疾患で疑うといった解説やコルヒチンの使い方, 副作用への対応のお話, そして今現在自分の臨床でHOTな蕁麻疹様血管炎と好中球性皮膚症のお話がとても興奮しました.
一般内科, なんでも内科, 総合診療科に属し, 初診外来や救急外来, 入院診療をやるようなお仕事ならば一度は目を通し, 「自己炎症性疾患」というカテゴリー, 疾患概念, ゲシュタルトをある程度構築しておくべきと思います. その効率の良い方法がこの本を読むことでしょう.
うちの科の後輩には薦めようと思います.