レベチラセタムは抗てんかん薬としてよく使用される薬剤.
IV薬もあって使用しやすい.
また, 抗てんかん作用のみならず, 不安症状や心身症, 強迫観念に対する効果も認められる.
(J Clin Neurol 2011;7:128-136)
一方で, この薬剤では精神症状や行動障害が副作用として問題となりやすい.
てんかんに対して抗てんかん薬を新規に開始された4085例の解析.
(Epilepsy & Behavior 76 (2017) 24–31)
・副作用としての精神症状, 行動障害を評価.
精神症状, 行動障害は抑うつ症状, 精神症, 不安, 自殺企図, イライラ, 攻撃性, 癇癪で定義.
精神症状, 行動障害は17.2%, 耐えられないの症状は13.8%であり
頻度はLEVで最も多かった: 22.1%(OR6.87).
薬剤別の精神症状, 行動障害のリスク(LEV:レベチラセタム)
・LEVはイライラやよくうつ症状, 不安症状のリスクが特に高い
抗てんかん薬による精神症状, 行動障害のリスク因子
・精神疾患の既往, 難治性てんかん症例, Absence seizureなどがリスク因子となる
レベチラセタムとプラセボを比較したControl trialにおいて, 母集団別の精神症状, 行動障害リスクを評価.
(Epilepsy & Behavior 4 (2003) 124–132 )
・母集団は
てんかん患者群,
認知障害患者群(脳卒中後, 外傷後, 記憶障害, てんかん(-)),
不安障害患者群(±抑うつ症状, てんかん(-)) で評価
・感情障害など精神, 行動障害はてんかん患者群で最も多い結果
症状出現のタイミングは薬剤開始後1ヶ月以内が多いがてんかん患者ではそれ以降の発症も多い
-----------------------------------
レベチラセタム(イーケプラ®)はよく使われる抗てんかん薬ですが,
イライラや抑うつ症状, 不安症状のリスクが高く, 薬剤開始後や外来フォローでは注意が必要.
一方で, 不安症状や心身症, 強迫症状に対してレベチラセタムが効果的であることもある.