脳梗塞後のてんかん発作は急性, 亜急性, 慢性の3つ
・急性は発症24h以内の痙攣発作
・亜急性は7日以内
・慢性は7日以降の痙攣発作. 脳梗塞後の組織変性により長期的にてんかん発作の原因病変が形成される.
脳梗塞既往がある患者で問題となるのがこの慢性期でのてんかん発作.
脳梗塞後1年間のてんかん発症率は3-15%
(Lancet Neurol 2016; 15: 185–97)
脳梗塞後てんかん発作のリスク因子
・前方循環系の脳梗塞は他の脳梗塞よりもリスクが高い
・皮質の梗塞もリスクが高い
特に前側頭皮質, 縁上回, 上側頭回の梗塞でリスクが高い報告がある
ラクナ梗塞は梗塞後てんかんの11%で認められる.
脳梗塞後のてんかんリスクを評価するSeLECTスコア
スイスにおける脳梗塞症例1200例において, 脳梗塞後のてんかん発作(発症>7日)のリスク因子を評価し, スコアを作成(SeLECTスコア).
さらにオーストラリア, ドイツ, イタリアの1169例でValidationを施行した報告.
(Lancet Neurol 2018; 17: 143–52)
・TIA, Stroke既往, 出血性梗塞, 痙攣既往, フォロー中に再梗塞(+), 他にてんかん発作のリスクがある患者は除外.
脳梗塞後のてんかん発作リスクは1年間で4%[4-5], 5年間で8%[6-9]
・リスク因子は5項目あり, 頭文字をとってSeLECTスコアとした.
・重症度, 大血管動脈硬化, 早期痙攣, 皮質障害, MCA領域の5項目が関連
スコアと1年, 5年間のてんかんリスク
・スコア 0ではリスクは1%前後
・スコア 9では6-8割で発症する.
リスク分類