ACE阻害薬ではブラジキニン分解抑制が生じ, ブラジキニン関連の血管浮腫を生じる.
その機序にSubstance-Pも関わっている.
一方でDPP-4阻害薬はSubstance-Pのようなペプチドの分解を抑制するため, 両者の併用では血管浮腫のリスクが上昇する可能性が示唆されている.
Vildagliptin(エクア®)を評価したClinical trials(RCTs)より, 血管浮腫を合併した症例を抽出
(Hypertension. 2009;54:516-523.)
・N=13921例中, 27例で明らかな血管浮腫と判断.
そのうち19例がVildagliptin群, 8例が対照群(Placebo, Metformin, Pioglitazone, rosiglitazone, glimepiride, acarbose).
これらデータより血管浮腫のリスクを評価
・Vildagliptin自体は血管浮腫のリスクとはならないが,
ACE阻害薬と併用することで有意な血管浮腫リスクとなる.
また, 高用量ほどリスクも上昇する.
・ARBとの併用では関係はない.
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ACE阻害薬もDPP-4阻害薬も比較的よく使用される薬剤なので気に留めておくと良いと思います.