大体がERや病棟で挿管され, ICUに搬送され, その時点から始まることが多いが,
ERで早期から肺保護換気を行うことが重要だという論文がありました.
(個人的には既にそうしていますが.)
(Ann Emerg Med. 2017;70:406-418.)
LOV-ED trial: 単一施設のERにおいて, ERより肺保護換気を施行する介入を行う前後(介入前 2009-2014年, run-in periodを6ヶ月挟み, 介入後2014-2016年)での挿管, 呼吸器管理症例のアウトカムを評価, 比較.
・介入後の評価, 解析は前向きに行なっている.
・患者はERを受診し, 挿管管理・人工呼吸器管理を必要とする成人例.
・24時間以内の抜管, 死亡症例は除外
ERでの呼吸器設定プロトコール
・VT 6mg/kg
Pplat <30cmH2O
PEEP≥5cmH2O
FiO2は SpO2 90-95%となるように調節
呼吸数 20-30/分
上体を30度挙上
介入前 1192例, 介入後 513例を解析
・Propensity score-matched analysisにて各490例を抽出し, 比較
介入前後のERにおける呼吸器設定
・VT, FiO2は介入後有意に低下
・PEEPやPplatは前後で同じ
・30度の上体挙上は増加
アウトカム
・ERからの肺保護換気設定はARDS合併頻度は有意に低下.
・呼吸器使用期間, 入院期間も有意に短縮される結果
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介入前後で比較した報告であるものの, 挿管後早期に肺保護換気を徹底することは重要な可能性がある
これは今後の前向きStudyに期待したいところ.
まあでも, すでにERから設定しているところは結構多いのではないでしょうか?