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2017年2月23日木曜日

ペースメーカー留置患者に対するMRI検査

(N Engl J Med 2017;376:755-64.)
MagnaSafe Registry: FDAにてMRI非対応とされている, 心臓ペースメーカーやICD留置中の患者で, 胸部以外のMRIを評価する患者を前向きにフォローした報告.
・MRIは胸部以外の部位で, 1.5Tの強度で評価する
・デバイスはMRIの前後で評価され, MRI前に再プログラムする.
・アウトカムは死亡, リード不全, 誘発性不整脈, キャプチャー不全, デバイスのリセットリスク, デバイス設定の変更リスクを評価.
・除外項目: 評価困難な遺棄リード, 不全リードがある場合, PM, ICD以外の留置デバイスがある場合, 胸部以外に埋め込みされている場合, バッテリーの寿命が残りわずかの場合, ICDによりペーシング管理している患者

MRI施行前後の評価, 設定

・MRI施行前の評価: PM
 無症候で内因性HR ≥40bpmの場合, デバイスはno-pacing mode(ODO, OVO)に
 症候性 or 内因性HR <40bpmの場合, pacing-dependentと判断し, asynchronous pacing mode(DOO,VOO)に再設定する.
・MRI施行前の評価: ICD
 non-pacing-dependentの患者では, 徐脈時, 頻脈時治療機能をOffとする.
 pacing-dependentの患者は除外(この場合, 徐脈時, 頻脈時治療機能を独立してOffとできない機種があるため)
・MRI評価後は元の設定に戻す.

母集団

アウトカム

・MRIに関連する死亡例は無し.
・再挿入が必要なジェネレーター不全はICD患者で1例のみ.
・リード不全やキャプチャー不全はない
・上室性不整脈は6例のみ. 心室性不整脈は無し.
・設定リセットはPM群で6例. MRIは比較的安全に評価可能な可能性がある

デバイス設定, インピーダンス, 閾値の変化


インピーダンスの変化やペーシング閾値の変動は少なからず認められる
・複数回MRIを施行した患者と単回のみの患者でも設定やデバイスの変化, アウトカムに差はない

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MRI非対応のPM, ICDでも検査前後のデバイス評価, 再設定にて比較的安全に胸部以外の1.5T MRIを施行可能な可能性がある.