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2017年1月6日金曜日

糖尿病でも爪床毛細血管ループ(Nail-fold capillary)の異常を生じる

Nail-fold capillaryの評価は強皮症や皮膚筋炎の評価で重要な所見の一つだが, 糖尿病による微小血管障害でもNFCの異常が生じる可能性がある.

台湾からの報告. 2型糖尿病 115例, 前糖尿病 41例, 健常人 37例において, Nail-fold videocapillaroscopy(NVC)を評価.
(Medicine (2016) 95:52(e5714))
・活動性肝疾患, 妊娠, 活動性感染症, 脳血管疾患がある患者は除外.
・NVCは24度の室内で評価. 評価項目は以下のとおり. 
 異常所見からスコアを作成.
 ・毛細血管長(正常 200-500µm, 短縮, 延長)
 ・配列(秩序だった整列, カンマ様, 不整, 高度にバラバラ)
 ・形態(ヘアピン, ねじれ, 分岐, もじゃもじゃ)
 ・密度(10-30/mm2, 8-10/mm2, <8/mm2)
 ・太さ(正常, 拡大, 巨大ループ)
 ・出血(なし, 一部, びまん性)
 ・血流(正常, 速度低下, 間欠性の血流)



アウトカム
・DM, 前糖尿病患者では有意にNFCの異常所見が認められる.
・血糖コントロール間(HbA1c 7%未満, 以上)の比較では, 所見の頻度に大きな差はないが, スコアは7%以上の群で高い.

微小血管障害の有無で比較すると, 障害(+)群では毛細血管長の短縮が有意に多い結果.
・NVCスコアはDM神経症スコア, 微小血管障害数に低い相関性が認められる.

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興味深い報告.
DM性の微小血管障害としてNFCの異常が生じる可能性がある.
微小血管障害, 神経症との相関性はあるが, 関連性は低く, 日常診療でフォローする必要がある所見とまでは言い難い.

強皮症や膠原病患者でNFC所見評価する際に、背景にDMがあるかどうかは念頭に置く必要がある