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2016年10月14日金曜日

術後せん妄の予防には少量デクスメデトミジンが有用

(Lancet 2016; 388: 1893–902)より

65歳以上の非心臓外科手術 術後患者を対象としたDB-RCT
・中国におけるRCT. N=700.
・全身麻酔下の待機的非心臓外科手術で, 術後ICUに入室した患者群(20時までに入室した患者を対象).
・除外: 統合失調症, てんかん, パーキンソン症候群, 重症筋無力症, 術前にコミュニケーションがとれない患者, 脳損傷, 脳外科手術, LVEF<30%, SSS, HR<50bpm, II度以上のAVブロック, 肝不全(Child-Pugh C), 透析患者, 24h以内に死亡する可能性が高い患者

術後ICU入室〜翌日8時まで少量のDexmedetomidine使用群
 vs Placebo群に割り付け, 術後7日以内のせん妄発症率を比較.
・Dexmedetomidineは0.1µg/kg/hで使用(通常維持投与量は0.2-0.7µg/kg/h)
・挿管中の患者では, Propofol, MidazolamでRASS ≥-2を維持した後にDexmedetomidine, Placeboを使用する. 
 Daily sedation interruptionは翌日より開始.

母集団

アウトカム: せん妄発症率は有意にDexmedetomidineで低い結果.

・術後3日目まで有意差を認める.
・せん妄はRASS >-4の状態において, CAM-ICUを用いて評価.
 RASS ≤-4では 「昏睡」とする

抜管までの期間や, ICU滞在期間も短縮.

副作用頻度

・頻脈や高血圧はDexmedetomidineで少ない.