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2016年4月5日火曜日

MDSには自己免疫性疾患が合併することがある

以前, MDSにおける炎症性関節炎についての論文を紹介した

MDSに合併する関節炎


MDSには関節炎以外にも, 自己免疫性疾患の合併がある.
(Medicine 95(13):e3091) 
MDSに自己免疫機序の病変を合併している67例と年齢, 性別を合わせた病変(-)のMDS群134例を比較.
・自己免疫機序の病変は,
 Neutrophilic dermatosis(Sweet症候群 22, PG 2)が24例(36%)
 ベーチェット病が10例(15%): 7例が重度の腸炎(+)
 関節リウマチが9例(13%)
 血管炎が8例(12%): 大血管 2, 中血管 1, 皮膚血管炎 5例
 筋炎が3例(4%)
 強直性脊椎炎が3例(4%)
 SLEが2例(3%)
 他に脂肪織炎 2例, シェーグレン 2例, SSc 1例, 慢性脱髄性脳症 1例, 遊走性関節炎 1例, 再発性多発軟骨炎 1例
・15%が2つ以上の自己免疫性障害を有していた

MDSの診断と自己免疫性疾患の診断の時間差


・NDと血管炎はMDS診断と同時に認められることが多い
・他の疾患はMDS診断前〜診断後数年で認められる.

MDS+自己免疫疾患群 vs Controlの比較
・MDSの病型, 重症度は両群で差はない.

自己免疫疾患とKaryotype
NDは5q delとの関連がある.
・ベーチェット病はTrixomy 8との関連がある

これら自己免疫疾患を見た場合は, 背景にMDSがあるかもね, と思いつつ診療する視点も大事ですね