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2016年4月11日月曜日

メトホルミンは大腸ポリープ再発リスクを低下させる

Lancet Oncol 2016; 17: 475–83より

日本国内におけるPhase 3 trial.
大腸腺腫, ポリープに対して, 内視鏡的切除術を施行したことがある, 非糖尿病患者151例を対象としたDB-RCT.
・患者は40-80歳で, ポリペクトミーを施行され, 施行後腫瘍性病変が認められない患者群を対象.
・除外項目: 糖尿病, NSAIDを週1回以上使用, 腸管手術歴, ポリペクされた大腸腺癌以外の癌の既往, 心不全, 腎不全, 肝硬変, 家族性大腸腺腫, 先天性非ポリポーシス性大腸癌, 炎症性腸疾患, 妊娠(予定含む)

メトホルミン 250mg/日 vs Placebo群に割り付け, 1年間継続.
・1年後に下部内視鏡を施行し, ポリープ, 腺腫を評価し比較した.

母集団
・メトホルミン群の方が大腸癌家族歴がある患者が少なく, 高脂血症合併例が多い

アウトカム
・1年後に下部内視鏡を施行できたのはメトフォルミン群で71/79, プラセボ群で62/72.
腺腫, 過形成ポリープはメトフォルミン群で38.0%[26.7-49.3], プラセボ群で56.5%[44.1-68.8]と有意に低下(RR 0.67[0.47-0.97])
・母集団でメトフォルミン群で大腸がん家族歴が低い点, 高脂血症が多い点を考慮しても有意にメトフォルミン群でリスクは低い.

消化管症状は両者で有意差なく, メトホルミン250mg/d程度ならば消化管症状や低血糖リスクは低く, 安全に継続可能な可能性が高いとされている.