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2015年9月28日月曜日

ICUでの挿管困難を予測するスコア: MACOCHAスコア

ICUの救急での挿管は慌ただしく、患者の状態もいろいろであり、
麻酔管理下での挿管よりも難易度が上昇すると言われている。

ICUにおける挿管で、挿管困難例を予測する因子を抽出し、スコアを作成したStudy

(Am J Respir Crit Care Med Vol 187, Iss. 8, pp 832–839, Apr 15, 2013)
ICUでの挿管 1000例を前向きにフォローし, 挿管困難に関わる因子を抽出し、スコアを作成した。
 さらに同様に400例でそのスコアのValidationを行った. 
ICUでの挿管例 1000例中, 挿管困難例は11.3%
 挿管困難を予測する因子は, Mallampatiスコア III-IV, OSAS, 頚椎の可動域の低下, 開口<3cm, 昏睡, 重度の低酸素(<80%)など

スコア: MACOCHAスコア


点数
患者因子
Mallampatiスコア III-IV
5

OSASの病歴
2

頚椎の可動域制限
1

開口制限<3cm
1
疾患因子
昏睡
1

重度の低酸素(<80%)
1
術者因子
非麻酔科医
1
合計

12

 

スコア >3は感度 73%、特異度 89%で挿管困難例を予測する
スコア ≥6-8となると半数以上が挿管困難

非麻酔科医のICU研修医による, ICUでの挿管におけるMACOCHAスコアの有用性を評価
(Journal of Critical Care 30 (2015) 876–880)
大学病院のICU(単一施設)における前向きCohort.
指導医1名につき, ICU研修医 3−4名(夜間は2名)の環境でICU研修医による挿管における挿管困難例をMACOCHAスコアで予測
アウトカム: 6ヶ月間で134例の挿管があり,  MACHOCHAスコアと挿管試行回数
スコア ≤3ならばICU研修医でもほぼ1回目で成功することが多い
スコア ≥8ではまず1回目では成功しない。


≤3ならば比較的安心して任せられる
≥8では要注意. 件数を積んでからやらせるべき
4−7ならば指導医が注意しつつやらせても良いかも