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2015年6月16日火曜日

軽度の好中球減少患者では甲状腺をチェック

正球性〜大球性貧血患者では甲状腺機能をチェックする人は多いと思いますが、
軽度の好中球減少でも甲状腺機能異常が多いのではないか、という報告。


High Frequency of Thyroid Disorders in Patients Presenting With Neutropenia to an Outpatient Hematology Clinic STROBE-Compliant Article. 
(Medicine 94(23):e886)

好中球数 <2000/µLの好中球減少が3ヶ月以上持続し、血液内科紹介となった218例を対象とした前向きStudy.
これらの患者において好中球減少の原因を評価

原因頻度
甲状腺機能異常が43.6%と最多.
 内訳は橋本病が51例で最も多く、ついでNontoxic goiter, 抗体陰性甲状腺機能低下症
 甲状腺切除後も合わせると、68例が甲状腺機能低下症となる。

特発性は30%程度。
他には自己免疫性、薬剤性、感染症、栄養障害、血液腫瘍など。
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バセドウ病は好中球寿命の低下を引き起こし、血球減少の原因となるが、甲状腺機能低下症も好中球数の低下に関連する可能性がある。
橋本病では抗好中球抗体の産生や自己免疫機序による好中球減少の機序もあるが、甲状腺機能低下自体も好中球減少に関わる可能性があり。

健常人コントロールとの比較がないのでリスクがどの程度かは評価できず。
ただ、「よく分からないけどWBC低いよね」という患者では甲状腺機能は評価しておくと良い。

最近も慢性(数カ月経過)の軽度の好中球、白血球減少の高齢患者がいましたが、その人は自己抗体陰性甲状腺機能低下症でした。チラーヂンにて補正中ですが、今後の好中球数を見守りたいと思います。