SNI Spine 2014;5:S122-125
びまん性に腱付着部が骨化する非炎症性の疾患.
別名Forestier病. 1950年にJacque Forestierが提唱し, その際は椎体に生じる骨化(前縦靭帯骨化)が主であったが, 1976年にResnick, Niwayamaが椎体のみならず全身に生じる疾患としてDESHを提唱し, 統一された.
>40歳で多く, >65歳男性の42%で認められる報告もある.
男女比は2:1と男性に多い.
別名Forestier病. 1950年にJacque Forestierが提唱し, その際は椎体に生じる骨化(前縦靭帯骨化)が主であったが, 1976年にResnick, Niwayamaが椎体のみならず全身に生じる疾患としてDESHを提唱し, 統一された.
>40歳で多く, >65歳男性の42%で認められる報告もある.
男女比は2:1と男性に多い.
他の報告では
60歳の男性では18.8%, 80歳の男性では32.1%で認められる.
60歳の女性では9.1%, 80歳の女性では16.9%
The Spine Journal 11 (2011) 1058–1067
骨化を来す原因は未だ不明. 機械的刺激, 遺伝, 環境要素, 薬剤, 代謝疾患の関連性が示唆されている
糖尿病と肥満との関連も強く, 代謝性の要素が多く関連している可能性が示唆されている
DISHの診断クライテリア:
椎体腹側に4椎体以上連続する石灰化, 骨化を認める.
また, 椎体-椎間板結合部に局所的な病変を伴うこともある
病変部位の椎間板の厚さは比較的保たれている.
画像的に椎間板の変性は認められない
(骨軟骨症, vacuum phenomena, 椎体辺縁の硬化像等)
骨端関節の強直, 仙腸関節の骨融解, 関節内の骨融合, 硬化像は認めない.
椎体腹側に4椎体以上連続する石灰化, 骨化を認める.
また, 椎体-椎間板結合部に局所的な病変を伴うこともある
病変部位の椎間板の厚さは比較的保たれている.
画像的に椎間板の変性は認められない
(骨軟骨症, vacuum phenomena, 椎体辺縁の硬化像等)
骨端関節の強直, 仙腸関節の骨融解, 関節内の骨融合, 硬化像は認めない.
画像所見: SNI Spine 2014;5:S122-125
最も特徴的な所見は, 胸椎前面の骨化病変.
頸椎病変は, C5-6が40%, C4-5が23%, C3-4が14%, C2-3が14%の頻度
The Journal of Emergency Medicine, Vol. 46, No. 5, pp. 617–619, 2014
DISHの症状
様々な症状を呈する
多関節痛, 頸椎, 胸椎, 腰椎, 四肢の疼痛, 急性の単関節滑膜炎, 椎体のROM制限, 嚥下障害, 気道狭窄を来し得る.
外傷による椎体の不安定骨折のリスクの上昇
Myelopathy, Radiculopathyも来す.
大半の患者がDISH診断時無症候であり, 偶発的に発見される.
多関節痛, 頸椎, 胸椎, 腰椎, 四肢の疼痛, 急性の単関節滑膜炎, 椎体のROM制限, 嚥下障害, 気道狭窄を来し得る.
外傷による椎体の不安定骨折のリスクの上昇
Myelopathy, Radiculopathyも来す.
大半の患者がDISH診断時無症候であり, 偶発的に発見される.
DISHによる呼吸障害, 嚥下障害
非常に稀であるが, DISHにより急性の気道狭窄を来す報告がある.
70台男性. 徐々に進行するROM制限, 嚥下障害があり, 喉頭の圧排による気道狭窄で気管切開となった症例報告.
(The Journal of Emergency Medicine, Vol. 46, No. 5, pp. 617–619, 2014)
非常に稀であるが, DISHにより急性の気道狭窄を来す報告がある.
70台男性. 徐々に進行するROM制限, 嚥下障害があり, 喉頭の圧排による気道狭窄で気管切開となった症例報告.
(The Journal of Emergency Medicine, Vol. 46, No. 5, pp. 617–619, 2014)
72y男性 喫煙歴(-), 2y前からの進行する嚥下障害があり, 1wk前から労作時呼吸苦.
来院時Wheeze(+)でCO2 90mmHgと閉塞性呼吸不全(+). 食道は圧排され, ファイバーも通らない状態であった. NPPVで治療.
(Respiratory and Pulmonary Medicine 2011:5 81–85)
Marshfield Clinicにおいて1985-2005年に診断したDISHによる嚥下障害±気道狭窄症例9例の解析 (J Am Coll Surg 2006;202:938–942)
気道狭窄例は4例認められた. 外部からの圧排だが, 喉頭浮腫もある
118 articles(95 case reports, 23 small case series)を評価し, 204例の嚥下障害 ± 気道狭窄例を評価. (The Spine Journal 11 (2011) 1058–1067)報告は年々増加している.
このCohortでの平均年齢は 68.9±9.9歳[38-92]
36-45歳では3例(1%)
46-55歳では20例(10%),
56-65歳では55例(27%)
66-75歳では68例(33%)
76-85歳では51例(25%)
86歳以上では6例(3%)
204例中, 189例で嚥下障害(+).
残りの15例は嚥下障害を来さず, 気道狭窄のみ.
気道狭窄自体は63例(31%)で認められた
つまり48例は嚥下障害と気道狭窄を合併
嚥下障害の程度は, 認めない例が15例(7%). 軽症 7例(3%), 中等度 74例(37%), 重度 23例(11%) 残りは不明
気道狭窄の程度は, 認めない例が141例(69%), 軽症 15例(7%), 中等症 12例(6%), 重症 24例(12%) 残りは不明
椎体病変の分布が記載されたのは170例で,
C1 5例, C2 73例, C3 140例, C4 163例, C5 157例, C6 138例, C7 105例.
嚥下障害, 気道狭窄に主に関わっている頸椎病変は, 128例で報告されており, 頻度は以下の通り
C3 75(59%), C4 100(78%), C5 81(63%)であった.
この分布は嚥下障害, 気道狭窄双方で同じ
症状, 所見の頻度, 基礎疾患の頻度
DISHの鑑別疾患
DISHと同じ様な病変を来す疾患としてSpondylosis Deformans, Ankylosing Spondylitisが挙げられる.
Spondylosis Deformansはより頻度が高い疾患であるが, SDでは胸椎前面の前縦靭帯は侵さない.
Ankylosing SpondylitisとDISHは類似する症候があり, しばしば鑑別が難しいが, 骨融合がよりスレンダー, 垂直方向, Annulus fibrosusの外縁を含んでおり, 前縦靭帯は侵さない.
また仙腸関節やApophyseal jointの骨融解, 強直はDISHでは認めない
DISHと同じ様な病変を来す疾患としてSpondylosis Deformans, Ankylosing Spondylitisが挙げられる.
Spondylosis Deformansはより頻度が高い疾患であるが, SDでは胸椎前面の前縦靭帯は侵さない.
Ankylosing SpondylitisとDISHは類似する症候があり, しばしば鑑別が難しいが, 骨融合がよりスレンダー, 垂直方向, Annulus fibrosusの外縁を含んでおり, 前縦靭帯は侵さない.
また仙腸関節やApophyseal jointの骨融解, 強直はDISHでは認めない