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2014年7月3日木曜日

不安神経症, パニック障害の診断スコア

DSM-5より, 不安神経症(Generalized Anxiety Disorder), Panic Disorderの診断基準
GADの診断基準
Main symptom
Associated symptom
Functional Qualifier
Exclusions
6ヶ月以上の著明な不安感,
コントロール不能な
不感感を認める

以下の3つ以上を満たす
 落ち着かない
 早期から倦怠感あり
 イライラ
 集中できない
 筋緊張
 睡眠障害
GAD患者で
よく認める症状;

 体の震え
 発汗/悪心/下痢
 頭痛
 IBS
著明に機能,
日常生活を障害する
他のAxis I疾患の除外,
薬物中毒, 依存を除外

Panic Disorderの診断基準
Main symptom
Associated symptom
Functional Qualifier
Exclusions
再発性, 予測できない
パニック発作.

以下の1つ以上を
最低1ヶ月認める.
 発作に対する不安
 発作による心身症
パニック発作は
以下を含む予測困難な
突発性の発作.

 動悸, 発汗, 震え,
 呼吸苦, 胸痛, 悪心,
 ふらつき, 悪寒, 熱感
 痺れ, 現実喪失感
 コントロール喪失に
  対する恐怖
 死への恐怖

著明に機能,
日常生活を障害する
他のAxis I疾患の除外,
薬物中毒, 依存を除外
JAMA Rational Clinical ExaminationよりGAD, Panic Disorderの診断に有用なスコアを評価
(JAMA. 2014;312(1):78-84)


GADの診断に有用なのはGAD-7, Panic Disorderの診断に有用なのはPHQ-Panicモジュール.

GAD-7: 7項目を0-3ptで評価.
 この2wkで以下の項目がどの程度の頻度で認められるかを評価.
Cutoff≥10で感度89%[82-96], 特異度83%[80-85]
 LR+ 5.1[4.3-6.0], LR- 0.13[0.7-0.26]でGADを示唆する.
ナーバス, 不安, イライラを感じる頻度は
心配するのを止められない, コントロールできない頻度
様々なものを過度に心配してしまう頻度
リラックスできない
落ち着かず, じっと座っていられない
簡単に腹を立てる, イライラする
なにか酷いことが起きるのではないかと恐れる
全くない 0pt
数日ある 1pt
半分以上ある 2pt
ほぼ毎日ある 3pt で評価し, 0-21pt

PHQ-Panicモジュール
 1-4までを満たし, 5は11項目中4項目以上を満たす
 感度 81%[68-93], 特異度 99%[98-100], LR+ 78[29-210], LR- 0.20[0.11-0.37]
過去4wk以内に不安発作(突然の恐怖感, パニック)があるか
このような発作は過去にもあったか?
このような発作は全く予測できない状態で生じたものか?
このような発作で日常生活が障害される, 発作を不安に感じるか?
最近の発作について聞きます
 a) 呼吸苦があったか
 b) 動悸, 頻脈があったか
 c) 胸部圧迫感, 胸痛があったか
 d) 発汗があったか
 e) 窒息する様な感覚があったか
 f) 熱感や紅潮, 悪寒があったか
 g) 悪心や心窩部の症状, 下痢のような症状はあったか
 h) ふらつき, 不安定感, フラツキがあったか
 i) 体の一部に痺れやチクチクする様な感覚があったか
 j) 震えがあったか
 k) 死にそうな恐怖があったか