ページ

2013年11月27日水曜日

ANCA関連血管炎に対するリツキシマブ

RAVE-ITN trial (NEJM 2010;363:221-32)
重症ANCA関連血管炎(GPA148, MPA48)患者197名を対象としたDB-RCT
Rituximab 375mg/m2/wk for 4wk 
 vs CYC 2mg/kg/dで3-6m継続, 寛解導入後AZA 2mg/kg/dを12-15ヶ月継続群で比較.
ステロイドは両群で投与し, 5.5ヶ月かけて減量するレジメ。

Outcomeはステロイドoff後6mo続く寛解.

Outcome
 寛解に達したのはRituximab群で64%, CYC群で53%(P=0.09)
 再燃例に対する効果はRituximabの方が有効で, 再燃例の寛解率 67% vs 42% (P=0.01)
 寛解率はWG, MPN別で解析しても有意差認めない. また, 腎炎合併, 肺胞出血合併例でも有意差なし

このstudyの長期フォロー結果も出ており, (N Engl J Med 2013;369:417-27.)
長期間の寛解率, 治療への反応率は両者同等.



リツキシマブでは1ヶ月、計4回の投与でCYC,AZA投与と同等の効果が期待できる.
高齢者でCYCが使用しにくい患者ではとても有用と思われる.

薬価は500mgで24万円、4回で100万円近くと高いが, 国内では再発性、難治性ANCA関連血管炎として保健適応ある.
今後ジェネリックもでてくる予定であり、その場合は8割程度まで値段は下がるという。

高齢者のANCA関連血管炎をよく診る身としてはとてもありがたい。
CYCが投与難しい場合はステロイド単剤投与 → 反応性悪い or 再燃 → リツキシマブ、という流れもあり、期待したい薬剤.