ブログ内検索

2013年11月12日火曜日

Acute coronary syndromeの入院患者における血糖コントロール

JAMA Intern Med. 2013;173(20):1896-1904. 
BIOMArCS-2 Glucose Trial; 
オランダのAlkmaar Medical Centerでのopen-label RCT.
 ACSで入院した患者でGlu 140-288mg/dLであった294例を, 
○血糖85-110mg/dLでコントロールする群 
 vs. ○通常の治療群に割り付け, ACSの経過, 梗塞範囲を比較.

血糖コントロールは48時間継続.
インスリン依存性DM患者, Cre>2.5mg/dL, 挿管患者, 過去にEF<30%が指摘されている患者は除外

梗塞範囲は入院72h後のTrop T値, CK-MBの積算値(6,12,24,36,72hでLab評価しAUCを計算), 発症6wk±1wkにおける心筋perfusion scintigraphy で評価.

母集団


アウトカム;
 各群の血糖推移
 Control群では血糖<180mg/dL程度で調節. 通常のICU管理と同様のレベル.

梗塞範囲の比較, 死亡

介入群
Control
p
72hでのTrop T
1197(541-2296)ng/L
1354(530-3057)ng/L
0.41
AUC-CK-MB
2372(1242-5004)U/L
3171(1620-5337)U/L
0.18
MPS-SPECT
2%
4%
0.07
LV function
59%
57%
0.33
死亡例
2.9%
0.7%
0.37
MI再発
3.6%
0
0.06

どの項目も有意差は認めない.
Subanalysisでも有意差を認める解析は無く, ACSでの血糖コントロールも通常の入院管理, ICU管理に準じて行えば問題ないと考えられる.